アルプススノー社編集部

移動旅行、ときどき海外

留萌・札沼線ラストラン(1)

春秋航空の千歳便がセールで2500円という破格値で購入できたことをきっかけに、以前ろくに景色を見れなかった留萌線廃止予定区間札沼線をもう一度訪れることにしました。

 

◾︎成田空港7:00→8:40新千歳空港 春秋航空日本 IJ661

 

アクセス特急からダッシュで第三ターミナルへ移動。小走りで10分。アクセス特急は6号車の進行方向前から3つ目のドアが階段の目の前。春秋航空のお姉さんにせかされながらチェックインを済ませた。

 

春秋航空日本を選んだのは、安かったからという理由につきる。

機内は6割ぐらいの乗車率。この日は雲が少なく、かつてないほど景色が澄んでいた。これこそ空の旅だなぁ。

 

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◾︎新千歳空港9:30→9:50北広島10:08→10:14上野幌 千歳線

 

朝早すぎるので、上野幌の「森のゆ」という天然温泉に立ち寄った。千歳に雪はなかったのに、上野幌はそこそこの雪だった。

 

暴風の影響で、前日発表によると留萌線は夕方まで運休となっていた。

自分の乗る予定の列車は運休の対象から外れていたが、この後の天気予報を見る限り運転するとは思えなかった。

このフラグ、昨年根室に行った時にもあったよなぁ…

こういう場合はあまり期待を高く持たないほうがいい。

留萌~増毛間は初乗車しようとしたときも土砂災害で運休だったし、縁がないのかな…

 

◾︎上野幌11:46→12:11札幌12:30→13:47深川 函館線・特急サロベツ

 

結局「サロベツ」の車中で、留萌線終日運休の報を知る。

今日の宿は増毛に取ってしまったので、引き返すという選択肢は考えていなかった。

旭川15:14発の留萌線に乗る予定だったが、留萌線は過去に2度乗っているし、今回は増毛の街を見ることが目的なので、JRはあっさり諦め、深川から路線バスを乗り継いで増毛に行くことにした。

 

ただせっかく来た苦労を無碍にしたくなかったので、深川でサロベツを乗り捨て、廃止記念のグッズを買い漁った。

 

深川から5分ほど歩いたところにある深川十字街バス停から、道北バス留萌行きに乗車。

こういう稼ぎがあるからこその機転利きは、学生の時はできなかったこと。

 

深川駅は観光案内所のWi-Fiが飛んでいた。千葉より進んでいる(笑)

日本はWi-Fi後進国とよく言われる。しかし台湾はWi-Fiこそ多かったものの、回線速度は3Gレベルで遅かったので、日本のWi-Fiは高スペックすぎて広まるのが遅いのかなと思った。

 

◾︎深川十字街14:49→15:57留萌駅 道北バス

 

バスを待っている間に吹雪になってきた。写真の雪に埋もれているのがバス停である。近くで男性2人が寒さをしのいでいたのでバスの客なのかと思っていたら、ただの作業員だった。

自分が外に出ると雨や雪が降ってくる。祟られているとしか思えない。

 

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留萌へ進んでいくと、どんどん吹雪はひどくなっていった。

 

◾︎留萌駅17:00→17:34増毛駅 沿岸バス

 

乗客5人ぐらいで、私以外みんな地元の人。

バスは十字街など留萌の街中を走ってから海沿いに出るが、留萌線普通列車とほとんど所要時間が変わらない。留萌線はどんだけ遅いのか。

 

増毛駅のバス停を降りると暴風で前を向いて歩けないほど。増毛駅にはテレビの中継車が屯していた。列車は来ないのだが…

 

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本日はぼちぼちいこか増毛館に宿泊。

たまたま寡黙な人が多く、あまり旅人宿らしくなかったが、駅巡りが趣味のおばさんと、とほ宿の魅力について2時間以上しゃべっていた。次第に飽きてきて、宿にあった思い出アルバムを眺めた。この宿は最初1983年に雄冬に開設され、1999年に増毛へ移転してきたそうだ。雄冬のころの宿主は、今の自分と同い年ぐらいということになる。30年以上も特定の系列(YHなど)に属さず旅人宿をやっているなんてすごすぎ。

旅人宿ブーム(?)真っ盛りのころは、誰かが泊まったり暑寒別岳に登るたびに集合写真を撮っていたようだ。まだケータイもないころの話。

この時代は宿に泊まると決まって歌を歌って、宿主や奥さんもその度にギターを弾いていたらしい。今では考えられないなぁ…それがきっかけで人のつながりが醸成されていたのかと思うと、人間関係が希薄な時代しか知らない人間にはとてもうらやましく思えた。