今年の9月28日ごろまで発売されていた「HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パス」という破格の切符を何とかして使いたいという、きっかけがそれだけの周遊旅行。全道12,000円で6日使用可・指定席4回可とあまりに安すぎるため、一部界隈で「バグきっぷ」と呼ばれていた。
社会人初ボーナスを抱えて北海道へ飛んだときも同じような旅行をしており、欲張りに道内幅広く組んだら結果的に似たような場所を回る焼き直しになった。しかし今回新たに行く場所も多数ある。
- ■札幌7:30→10:16美深 函館・宗谷線 特急宗谷
- ■美深11:10→11:40仁宇布 名士バス仁宇布線(デマンドバス)
- ■仁宇布14:50→15:18美深15:29→19:51稚内 宗谷本線普通
2020年9月17日(木)
■札幌7:30→10:16美深 函館・宗谷線 特急宗谷
特急宗谷で美深まで移動する。平日のため自由席はほぼ満席状態。久々に在来線特急に2時間半以上も乗って、まだ着かないのかという気持ちばかりが募る。
■美深11:10→11:40仁宇布 名士バス仁宇布線(デマンドバス)
1985年まで、国鉄美幸線という路線がこの美深から分岐し山間の仁宇布駅まで走っていて、日本一の赤字路線と言われていた。存続の思いから町長の長谷部氏が自ら売り文句にして東京や大阪に出向いて切符を売りさばいていたという歴史がある。美深駅の2階に興味深い写真がいくつも展示されているので規模は小さいが見る価値あり。
代替バスになってから三十余年の時が経ち、現在は予約制の路線バスとなっている。その終点仁宇布で廃線になった線路を活用して1998年に「美深トロッコ王国」が開設された。今なお各地で営業されている廃線トロッコの嚆矢的な存在。駅で美幸線の記念入場券を買うと、デマンドバスの片道無料券がついてきた。ありがたや。
自動車免許が必要でアクセルとブレーキを使って往復40分のトロッコをゆったりと楽しんだ。
時間が余りすぎて事務所内の写真を見学したり、583系の車体内部を見学したり(アブがすごかった)、食堂(旧智東駅の貨車で営業している)でカレーを食べたりして過ごした。
結局それでも時間が余ってしまい、もう一度乗りたいと申告して2往復目に乗車した。私が乗車した2回は自ら含めても2組しかいなかった。
最後、途中でキツネとばったり遭遇。係員の方の話しぶりではキツネならよくいる、シカのほうが珍しいという感じだった。
■仁宇布14:50→15:18美深15:29→19:51稚内 宗谷本線普通
稚内行き普通列車は衝撃の乗客ゼロ。いつもこんな感じなのか…?
まあ旭川方面からの接続悪いし、すぐ前をサロベツが走っているし、客いない要素はばっちりだが。
美深で乗った4人だけで北へ向かう。
音威子府駅で1時間停車。長時間停車するが行き違いも待避もない。盛り土のようなホームにぽつんと停まる。
しかもこの停車時間でかの有名な「音威子府そば」を食べることはできない。
駅舎内の常盤軒はコロナ休業。道の駅おといねっぷの食堂・一路食堂も営業時間外。うーん…
特に常盤軒は駅そばマニアの間ではもはや聖地化しつつある店で、高齢夫婦がやっておられるので今回どうしても行きかったが、仕方ない。もし再開した暁には一目散に訪問したい。
道の駅の売店で買い物をして天塩川を少し見て駅に戻った。生そばを買ったが、このあとカバンにそばの香りが染みつく原因になった。
(音威子府で「北の大地の入場券」を買おうとしているキミ、この列車が着いたらすぐに購入しよう!到着が16時07分で、みどりの窓口が閉まる16時10分まで3分しかないからだ!私はぼうっとしていて買えずじまいでした)
幌延以北、暗闇、濃霧で風景不鮮明。見渡す限り真っ暗な中をひたすら走っていく。駅に着いてもホームの灯りと街灯が一つ見えれば上出来ぐらいの駅がひたすら続く。
(実際は真っ暗です)
安牛、雄信内、上幌延など、人の気配どころか駅についても駅前に明かりがない。これは北海道独特の光景といえよう。来春多くの駅が廃止される見込みとなっているが、現場を見るとよく今まで残してくれたなぁという感じしかしない。
駅間距離もかなり長く、暗闇の先に違う世界が広がっているような感覚。幌延・豊富でわずかばかりの乗客を乗せて稚内に定刻到着した。
飲食店は当然やっていないので、駅横のセコマで買い出しをして宿で夕食とした。旧定期船発着所の北防波堤ドームも見に行き21時を過ぎた。夜だと威圧感がある。くたくた。