アルプススノー社編集部

移動旅行、ときどき海外

宗谷線「花たびそうや」ざんまい旅行(2)

(1のつづき)
終バス寸前のバスに乗って稚内駅方面に戻る。
宿へ戻ろうとするが、この日は地磁気の乱れによって、オーロラが各地で観測できたというニュースが相次いでいた。
先ほど通った名寄市内の天文台でも観測できたようだというニュースを見る。急遽車を借りて稚内公園(高台)に行って観賞してみることにした。
しかしなかなか見えぬ。オーロラというものは肉眼で捉えるのは難しいとのこと。稚内公園は雲が濃いので再度岬へ行ってみることに。真っ暗闇の百年記念塔の近くをクルマで走っていたら、シカが出現して慌てて下に戻った。
幸いにも一眼を持ってきていたので、それらしい写真が少しは撮れたかなと思います。

オーロラ…?(ノシャップ岬)

真夜中のノシャップ岬は人がわらわらいたが全く街灯がないため、視認も難しいほどであった。
結局宿に帰ったのは22時40分であった。

 

【翌日…】

 

稚内9:30→16:21旭川 「花たびそうや」

稚内滞在中に翌日の上り指定席が確保できたので、予定変更して新千歳空港まで陸路で行くことにした。*1

稚内駅から復路スタート

「花たびそうや」の指定席部分はキハ40のボックスシートと54系のセミクロスシートの部分だけなので、それ以外の座席は実質的にフリースペースである。

大柄な人間が4人ボックスシートで6時間近く過ごすよりも、ロングシートなどのフリースペースでくつろぐ方が断然楽である。

推しのとよとみ君(豊富駅)

日本中いろいろな列車に乗ったが、停車するたびにおもてなしのある列車は初めてかもしれない。さらに今年から往路と復路で停車駅が全く違うとのことで、飽きることはない。
たださすがに豊富駅~音威子府駅間で1時間40分近く車内に缶詰にされるのは何とかならないか。
特に雄信内駅*2では列車行き違いのために25分ほど停車していたが、ドアは開かない。垂涎の駅舎があるこの駅にも立ち寄らせて欲しい。数少ない改善点。

この列車の価値を上げているのは幌延町のメモトックさんの観光案内であろう。
この会社は北の駅訪問証というモノを作っていることを知った時から認知しており、糠南クリパの時にも色々な宣伝を受けていたので、前から知っているが観光案内が非常に練られていた。「道北を夢の大地に」するというだけあって力が入っていた。

音威子府駅ではそばの販売。またメモトックの記念グッズの販売があった。予約していた弁当の受け取りもあった。音威子府なんて1時間いてもいいぐらい。資料館もあるし。

名寄駅ではハンバーガーがホームで売られるという告知があり、乗客でハンバーガーの取り合い状態となる。せりをやっているような感じであった。アスパラが効いていた。

なよろバーガー

次の剣淵駅のおもてなしは、数ある停車の中で力が入っていると感じた。
剣淵駅は本の町で売り出しているということで移動図書館を駅の横に据え付けていた。町長まで来ていて、この列車に対する意気込みを非常に感じた。

剣淵駅(左隅が移動図書館

次の和寒駅は特に駅での出し物はなく、隣にある観光施設で色々と買う形であった。
和寒駅の目の前にはセイコーマートがあり、食料を補充したい、 つまみに飢えた人間たちが吸い込まれていった。

次がこの列車最後の停車駅の塩狩駅。
クラフトビールを購入し車内で嗜む。塩狩駅では快速名寄号の行き違いとのため30分ほど停車していた。

塩狩峠塩狩駅)

残りの乗車時間は30分しかない。もうちょっと酒を売る駅が早めになってほしいな、とはお隣のボックスに乗車していた人の見解。たしかに。下りは士別で売っていたから良かったけど。

ほぼ定刻に旭川駅に滑り込み花たびはおしまい。
このあと千歳まで行って家路についたのだった。

区間乗ると証明書がもらえる

 

反省点
・今回は乗車券面の準備が疎かで、旅行中に急遽稚内空港からのフライトを取りやめるなどの変更をかけることになり余計な経費が掛かってしまった。
トクだ値乗車券を手元に使用後保存すること(JR北海道の割引きっぷは四季彩土産屋などで提示により割引が効くことがあるため。)
・弾丸旅程で稚内空港を使うことのリスクを認識すること。
・フリーきっぷの効力をきちんと確認すること。できそうなことを誰もやっていないのはなぜなのか疑うこと。

*1:この列車は 昨年までキハ40系4両で運転されていたが、満席にもかかわらず実際は空席が目立つため、今年からキハ54系2両に連結した形で運行するようになったとの噂。

*2:雄信内駅は2025年3月で廃止になる報道が出た[2024/6/21]。メモトック社の熱の入った観光案内を聞いたあとでは胸が痛い。