2019年4月13日(土)
前々から気になっていた大井川鐵道の客車ツアーに参加した。(抽選に応募したら当たってしまった)
「11時間近く国鉄時代の客車に乗って、かつての国鉄時代の郷愁を思い起こす」という、電車好きからすると垂涎の内容だが、一般客からしたら風景以外にはなんの取り柄もないようなツアー。
そもそも自分は国鉄時代を知らないので、こういう雰囲気だったんだな~という感想しか持つことができないが、昭和の鉄道絶頂期の風景はいつだって憧憬を持ってしまう。それを吸収できるようにかみしめたい。
大井川鉄道は2回目だが(1回目の記録はこちら)、3月の瀬戸大橋に続き、いくら電車好きとはいえあまりに鉄分が濃すぎる。きちんと飲み込めるか…
11時間耐久の旅が始まった。
金谷8:40→8:45新金谷9:15→10:47千頭 大井川本線
新金谷駅に着くとすでにツアーの参加客で長蛇の列。駅前の施設「プラザ・ロコ」で受付をしてホームに入る。オレンジ色の客車を見ると台湾の莒光號を思い出す。
金谷→新金谷間は集合時間にちょうど良い列車が無いためタクシーで移動した。9:01発という電車があるがそれでは集合時間に間に合わないからダメとのことだった。
大井川鉄道のイベント列車はこれに限らずすべて新金谷発着だ。普段のSLもクルマでの訪問者が多いのだろうが、鉄道会社のツアーなんだから、少しは電車で来る遠方の客にも配慮してほしいな。
金谷からの参加客は少なくとも自分たちだけではなかったし、2キロ近くあるため歩きは厳しい。まあかつて歩いたこともあったが。
ボックスに1名占有できるぐらいの参加者とのことだったので、受付で乗車券と駅弁引換券を受け取り着席。
車内アナウンスは、今回のコンセプトである「東北本線223列車」に合わせたもので徹底していた。
「223列車」とは1985年3月改正まで、常磐線の原ノ町から東北本線の青森までを11時間半かけて走行していた普通列車のこと。
途中駅に着くときも東北本線の駅がアナウンスされ、大井川鉄道の駅名は全くアナウンスされない。
放送される乗換案内もすべて当時のもの。台本つくるの大変だったろうな…
こんな現代では到底考えられない長距離列車が国鉄民営化の2年前まで走っていたのだから、隔世の感を禁じ得ない。
前回(瀬戸大橋)の時もそうだったが、停車するたびにホームが撮影者でいっぱいになる。でも今回は、いたるところに桜が咲いている。
仕事で全然地元の桜を見れなかったので、春の訪れを身体で感じて朗らかな気持ちでいっぱい。
茶畑もたくさん見れて静岡気分。
あっという間に千頭到着。
千頭11:00→11:26接岨峡温泉→奥大井湖上13:15→14:21千頭 路線バス閑蔵線・アプトライン井川線
最初の新金谷を発車した後は途中の乗り降りが自由なツアーなので、離脱して井川線の沿線を散歩することにした。
井川線の接続がよい列車がないのでバスで移動する。
閑蔵行路線バスの乗客は4人。井川線は遅いので旅程づくりにおいてはバスによる先回りが有効な場合も多い。
接岨峡温泉バス停で降りて八橋小道(やっぱしこみち)という散策路を歩いた。
8つのつり橋を堪能することができるが、いかんせん山奥のため全然人のいる気配がなく物寂しい。25分ほど歩いたのに、1組の夫婦に会っただけ。
途中から一般道を歩き隣駅の奥大井湖上駅に進む。接岨峡温泉から通して徒歩50分ぐらい。
このウォーキングルート、アップダウンが非常に多く堪えるが、最後に線路と横並びの歩道(レインボーブリッジ)を渡れて感激する。渡り切ったところが駅。
湖上駅はまわりにコテージが1棟あるだけで、どう考えても日常の利用客はいないと思われる立地。いわゆる秘境駅。
コテージから駅を見下ろすと、奥には平成2年の線路付け替えまで使用していた線路が見える。
コテージ内は、画になる風景写真がたくさん展示されていてほっとする。
テレビの露出が増えたためか、県外ナンバーの車がたくさん訪れていた。
(2へつづく)