◆鳥栖8:16→8:20新鳥栖8:26→9:04熊本9:12→9:45新八代 九州新幹線・鹿児島線
当初は鹿児島線を南下する予定だったが、またしても寝坊…危機管理が足りなすぎる。
2月に乗り残した熊本~鳥栖間をまたしても踏破できず。昔と違って今は平日も早朝に起きるような生活をしているのだから、少し無理してないかという視点を旅程作成時に考慮に入れないといかん。
九州新幹線は臨時ダイヤで走っていて、熊本~新八代間は32分もかかる(7月以降解消予定)。
在来線とほとんど変わらないことや、ちょうど良い時間に普通が走っていたこともあり、熊本で八代行きに乗り換えた。
昨日今日と天気は良かったが、この日は土砂降り。
◆新八代10:08→14:19川内 おれんじ食堂
ここから「おれんじ食堂」に乗る。
観光食堂列車に乗るのはこれで4本目。
おれんじ食堂はこの分野では古参といえる存在であり、本来ならファンとしてはもっと早くに抑えておかなければならなかった列車である。
2月に行った時に乗っておけば良かったのだが、友人からの強い勧めで再び来てしまった。
新八代駅構内をぶらぶらしていたら、「おれんじ食堂ご乗車ですか」と声をかけられる。
なんと今日は、私以外誰もいないらしい。いわゆる貸切状態。
2号は一番人気がある列車なので、今日はなかなかない日ですよと乗務員氏の言葉。予想だにしなかった事態だが、もう二度とできない体験と思い勇んで乗り込む。
八代発してほどなく、最初に緑茶が出た。ドリンク類は何杯でも飲めるとのことだった。一人なのをいいことに、緑茶・ほうじ茶・ボンタンジュース・コーヒー2杯を飲む。日奈久温泉を過ぎるとまもなく不知火海の海原が広がる。晴れた時には、天草が眺められるんですけどねぇ…と残念そう。男性パーサーは私のせいですとまで言って庇ってくれた。ビニールで覆われた佐敷城跡を見て、佐敷に着き最初の休憩となる。あらかじめ渡されていたお土産引換券を渡す。ここでは店を出していたお母さんと他愛もない話で談笑していたら、あっという間に3分前になり鐘がなった。私のために店を出してくれているようなものなので、温情に負けて有明海の塩を購入。私しか客がいないので逃げられず、このあと何度も売店の従業員や地元の人の「買いませんかぁ」という眼差しに根負けすることに。私が優柔不断すぎるので、見方を変えれば助かることでもあるのだが…
水俣駅で若干の停車。2月には併設されているカフェでさんざんお世話になった。だが、この日は土砂降り。トイレ休憩のみに止めた。出水では2度目の休憩で、おれんじ鉄道の売店へ。男一人でこの列車に乗っているなんて鉄道ファンに間違いないと目されたのか、女の子2人におれんじ食堂の目覚ましを徹底的に推された。まあファンなのは間違いないけどね…
並んでいるのはなかなか高価な品ばかりだったので目覚ましも勘弁してもらい、マグカップを購入。これは車内でコーヒーを飲んでいて使ったものと同様のもので、形状がいいと思った。
乗務員が交替し、ここからようやく食事が出てくる。積み込みは出水駅だったのだ。ある程度食事をとった後、乗務員の人と他愛もない話をしていたら阿久根に着いてしまった。第三セクター鉄道は地元の学生を運ぶことを主眼に置いているような会社が多いが、おれんじ鉄道は接客がとても上手で、他とは違うものを感じる。
阿久根駅も水戸岡氏デザインの駅舎だそうだ。水俣はカフェが入っているのに対して、阿久根は図書館のように本が並んでいて子供が多かった。
薩摩高城で4度目の休憩。海辺に連れて行ってもらう散策イベントがあった。雨に濡れずにホームに降りられるようになっていたり、車内に傘やカッパが常備されているのはさすがというほかない。
以下総評。
序盤は「贅沢すぎる…」と感激しきり。こんな豪華列車に一人というのは別世界に迷い込んだかのようで、宛ら千と千尋のようだと雰囲気に酔いしれていた。
しかしお土産タイム等で外に出たりしているうちに、何だか私一人に対してこれだけもてなしを受けているのは申し訳ないなぁ、という気分のほうが強くなってきた。贅沢すぎる悩みである。
それでも乗務員の方がつきっきりで観光案内をしてくれたので、総じて素晴らしき4時間だった。2月に来たときはこの海を不知火海と呼ぶことも知らなかったので、知識としては大きな進歩である。
4時間のうち、3割ぐらい乗務員や駅売店の人と談笑していた。
定時に川内に着き、お礼を申し上げておれんじ鉄道を後にした。
乗務員の方々は、地震後人が来なくて、このままだとマズいという危機感を一貫して口にしていた。これを読んでいる皆さんもぜひ「おれんじ食堂」をご検討ください。
◆川内14:22→15:19鹿児島中央→鹿児島空港 鹿児島線・いわさきバス
鹿児島中央駅から足早に向かったのは、みょうばん温泉。
中央駅から一番近い温泉だ(徒歩5分)。番台があるけど、源泉掛け流し。銭湯でありながら温泉の趣がある。もうほぼ旅程を終えているも同然なので、長湯してゆったりできた。
最後に天文館通のむじゃきで白くまを食べ、帰路についた。
費用を安くあげるためには、鹿児島駅→加治木→空港ルートがいいのかとか食事中考えていたが、面倒になり没案。今思えば、土壇場になっても決め切れない自分の弱いところが出ていた。
◆鹿児島空港20:15→22:00成田空港22:42→23:29船橋 ジェットスター・京成
鹿児島空港を約20分遅れで離陸したのでどうなることやらとヒヤヒヤしたが、成田で何とか京成本線に間に合った。
休日なのに通勤特急で帰宅した。
(完)