アルプススノー社編集部

移動旅行、ときどき海外

マレー半島鉄道縦断(2)ータイ最長特急ー

クルンテープ・アビワット15:35→12:30スンガイ・コーロック タイ国鉄南本線

スンガイ・コーロック行きは、2023年現在タイ王国内で最長距離を走る列車である。
私はこの前ウズベキスタン乗車時間15時間24分という一列車最長乗車時間記録を打ち立てたにもかかわらず、今回この列車の乗車時間が20時間55分に達するため、わずか3ヶ月で更新となった。

スンガイコーロック・バタンプザール行夜行列車


前回なぜタイに行くのにホーチミンでトランジットなどしているのかとお思いになった方もいるだろうが、私は今回この列車でバンコクから美しく半島横断をスタートさせたいがために、前後の飛行機の時刻を調整するという本末転倒なことをしているため、こうなっている。
この列車は12両編成だが多彩なクラスの車両が混在しているため、ホームから見ると車両の大きさがバラバラで、よくこれで走れるなと思わされる編成だった。

ワッフル店


クルンテープアビワット駅は出発の10〜20分前にならないとホームに入れない。空港のようなシステム。
今日乗るスンガイコーロック行きはフードコート寄りのE乗車口からだったのでよかったが、逆の入口ではたまったものではない。
趣味的にはファランポーン駅の時のほうが、撮影の自由が効いたのでよかった。
コンビニはないが改札前には出店がポツポツと点在しており、食料の仕入れにはあまり苦労しない。直前でもOK。
私の一押しはやはりワッフルである。これを食べなきゃ始まらんのよ。
ファランポーン駅にもワッフルの店があったが、まさかアビワット駅にもあるとは思わなかった。3つ購入したが、結果的には全然腹の足しとしては足りなかった。

タイ3度目の訪問にも関わらずまだこの国の夜行列車に乗車したことがなかったため、わくわく。新参者としていざ乗り込む。

定刻に出発し、去年通ったナコンバトムを通り途中から南線に入っていく。
昨年も散々見た農村風景。

車窓

18時半頃からベッドメイキングが始まり寝台下段を占有。
上段は窓がないので、旅行客としては絶対下段を抑えた方がいいですね。
あとできるだけ買い込んでから乗った方がいいと思われる。
物売りは停車駅のたびに乗ってくるので車内販売は結構あり、タイ語が得意な方ならいいと思うが、全くわからない人間にはかなりハードルが高い。(なぜタイに来ているのかという話だが

タイの寝台列車は2020年頃から過半数の列車が中国製の新型寝台車両に変更となっているが、このスンガイコーロック・パタンブザール行きは置き換わらなかったので、年季の入った車両である。
新型の方もいつか未踏の地ラオスに行くときなどに乗車してみたいものだ。


この列車は食堂車をつないでいるが、私の乗っている車両から5両以上離れており、行く気にならない。
ホアヒンに着いたあたりで、真っ暗となり車内は眠りモードに入った。
動物との衝突対策のためか途中で加減速を繰り返しており、30分遅れで進んでいった。

21時半頃には疲れで寝てしまった。

ホアヒン駅

翌朝6時半頃起床、8時半頃に車掌により座席が元に戻され(申告制らしい)、ハジャイ駅に到着。
タイ南部は北部に比べて治安がよろしくないとされるため、ここから銃を持った軍人が列車に乗ってくる。ただ思ったほど雰囲気は変わらず。
バタンプザール行きを分割した後に南線をひた走る。ナラーティワート県に入っても、ひたすら農村風景が続く。
イスラム色が強くなり、道行く人や乗客にもヒジャーブを着た女性が増え始めた。
バンコクから乗っていた客は途中駅でどんどん降りて行き、車内はガラガラになってしまった。
30分の遅れでスンガイコーロック到着。

スンガイコーロック駅

(つづく)