アルプススノー社編集部

移動旅行、ときどき海外

マレー半島鉄道縦断(1)-ホーチミン・トランジット-

この旅行は、単純にバンコクからシンガポールまで夜行列車にリレー形式で乗ってたどり着きたいという目的だけの旅行である。

 

沢木耕太郎氏の「深夜特急」を読んで以来、いつかマレーシアの国際夜行列車に乗ってみたいと思っていた。
ただタイからシンガポールまで走る列車はすでにない。
純粋な意味でのマレー鉄道は2011年6月にシンガポールの中心部エリアの路線が廃止され、2015年にタイからマレーシアに直通する夜行列車が消滅したことによりバックパッカーの関心から完全に外れてしまった。

タイ国鉄はともかくマレーシアの鉄道は日本並みに短距離列車ばかりでお世辞にも魅力を感じられなかったが、最後の希望として通称「東海岸線」を走る夜行列車がまだ残っており、これに乗ることで(国ごとではあるが)夜行による縦断を実現できる。

この旅程は本来1週間ぐらいの日にちを確保して行うべきプランであるが、様々な事情が絡んで休みが繋げられず弾丸旅行となってしまった。
特にタイはほぼ素通りである。去年行ったから赦してください。

中央アジアに続きまたまたハードな旅程だが、中央アジアのあの過酷な予定を乗り切ったという自信が後押しした。
体調を万全に完遂を目指したいと思います。

羽田2:00→6:10ホーチミン ベトジェットエア VJ821 

色々詰め込みぎて、4日間全て午後しか観光しないという異常な旅程になってしまった。
私はベトジェットに乗るのは3回目だが、この会社は分かりやすいほど安さに全振りしているLCCのため、全く定時発着や座席に期待してはいけない。
高度に訓練されたベトジェット民は、1時間程度の遅延は当然のこととして受け入れる精神力が求められる。この会社のおかげで東南アジアの地を踏めるため、すべては激安運賃の代償である。

さっそく羽田空港で保安検査場を通過したのに電光案内板の搭乗ゲートの欄が空欄のままで書いていないため、どこに行っていいのかわからなくなった。

・・・・・・(左下)

まだ折り返しの便が着いてなかったからのようだが、次々に常識では考えられないことを繰り出してくる。だいたい折り返し時間1時間というのにかなり無理があると思うが…。
しょうがないので一時、羽田空港のパワーラウンジで休憩。
コロナ明け初めてラウンジを利用。安心感で一時的に満たされた。

ちなみに搭乗は今年8月からウェブチェックインができるようになり(!!)若干ハードルが下がった。早速利用*1

幸運にも最後部席が割り当てられ、爆睡していたらホーチミンタンソンニャット国際空港に着いた。



別会社乗り継ぎなので、一度入国しチェックイン後すぐ出国。イミグレで時間かかる。中に入るまで1時間近くかかった。

混雑するタンソンニャット空港

 

ベトジェットが思いの外遅れなかったので事なきを得たが、まだ半日しか経ってないのに、昨日の羽田から保安検査と入国審査に要した時間だけで2時間半以上食っている。

s-blog.chefdoeuvre-delamere.com

Webチェックインを駆使し、飛行機が遅れなかったのは怪我の功名。やっぱり乗り継ぎは4時間以上必要だなと認識。
イミグレの中にあるバーガーキングがくそ高い。セットが日本の倍だ…
次はバンコクへGO。

バーガーキング(約1,500円)
ホーチミン9:45→11:30バンコク タイエアアジア FD657

特に何事もなくドンムアン空港に到着。
ドンムアンは初めて訪泰したときの空港なので思い入れはあるが、現在は大半がスワンナブーム空港発着で日本からの直行便は相当限られている。

ドンムアン空港


従来ドンムアン空港からは中心部までバスか国鉄で移動だったが、レッドラインができたことでドンムアン空港から中心部まで電車で容易に移動できるようになった。
スカイウォークのような遊歩道ができており若干距離はあるが乗り継ぎも迷わない。
乗り継ぎ通路の途中にフードコートがあるので、時間があれば寄っていいかもしれないと感じた。

ドンムアン駅からレッドラインに乗りクルンテープ・アビワット(バーンスー)駅へ移動する。所要時間約20分。
この区間国鉄の本線も並走しているので列車が合えば本線に乗りたかったが、国鉄はレッドラインと一体になっていながらも改札を通らずホームに直接行く必要があり、かなりの初見殺しなシステム。
チケット売り場の職員はバーンスーに行くならレッドラインに乗れとの一点張りなため、尚更である。
地上のバーンスー駅と新駅はかなり離れていることを昨年散々身をもって知っているので大人しくレッドラインに乗車した(これが普通です)。
ドンムアン駅入口にはでかでかと「日本のODAにより建設されました」という看板がものすごく目につく場所にある。

クルンテープ・アピワット駅(レッドライン)

まあそういうわけで、全面開業*2した、バーンスー駅改めクルンテープ・アピワット駅に到着。

昨年開業前にも来たが、相変わらずこの駅は広すぎる。
全面開業したことにより、フードコートができたらしいので行ってみることにした。
レッドライン出口からフードコートまでは600mほどある。東京駅の京葉線より遠い。まあこのフードコートはなかなか店のレパートリーが多くて、時間つぶしにはいいスポットと感じた。この駅の数少ない褒めていいポイント。
カレーヌードル70バーツを食べた。パリパリの麺。味がまずまず。辛い。

フードコートめし

こうして、長い列車移動に向けてのスタートラインに立った…

*1:ウェブチェックインをしていても搭乗口で呼び出されてチケット出し直しになるシステムだが、当初から手続き列に並ぶより全然マシ

*2:2023年1月開業。