かつてコロナ禍直前、私は長距離夜行列車に乗るためにウズベキスタンへ飛び立とうとしていた。
予約しようとしていた矢先、世間の大波に抗えずに中止となったが、いよいよ3年ぶりにその沈黙を破るときが来た。
満を持してタシュケントへの直行便が飛んでいる仁川空港へ降り立った。
実施日:2023年4月30日(日)
ICN15:30→19:20TAS
韓国で前泊し軽く観光を楽しみ、仁川空港からいよいよ未だ見ぬ地、ウズベキスタンへ。
7時間にわたるフライトはミャンマー以来となる。
機内食を嗜み、天山山脈を眼下にしたがえるひととき。
到着後、手荷物レーンから空港の外に出るとなんといきなり屋外で面食らう。
駅へ移動しようとするが、早速白タク客引きの応酬に遭う。
この空港にいるドライバーが旅行中最もしつこい人種だった。
予め準備していたヤンデックスタクシーを使用しようとするが、つきまとってきてヤンデックスはだめだとか、ホテルまで送っていくだの、執拗に横で10分ぐらいずっと口撃してくる。
初めてヤンデックスを使う場面だったので、初っ端からかなり精神的に衰耗した。
これ以降、駅や施設を出る門の前の安全地帯であらかじめヤンデックスを呼んでおき、残り時間で白タクの群れを突進する戦法を習得した。
タシュケント・ユーニイー(南)駅まで20分ほどで着いた。運転、おっかねぇ…
やっと駅に到着したわけだがついにタシュケントという駅の文字を見て、胸が高鳴る。
時間が少しあったので、スーパーで飲み物などを購入。
この入国してわずか1時間足らずでウズベキスタンの食料品の市価を知ってしまったことは、このあと行く幾多の観光地で遭遇する観光地価格の食品に対して、良くも悪くも値段の物差しになった。
タシュケント・ユーニイー22:33→…
計画では今日はタシュケントでゆっくりして次へ行く算段だったのだが、5月1日はウズベク国民も休みらしく1カ月前の段階で飛行機が取れず、いきなり夜行列車。この日は2等寝台である。
4人部屋の相席が地元の技術員で、深夜1時頃までたわいもない会話に付き合わされることになった。
夜行列車はこの後さんざん御供することになるが、この旅行のために購入した同人誌「中央アジア鉄道時刻表」(松島露水氏著)が旅行上、大変役に立った。
ウズベキスタンの鉄道に関して何の予備知識もない身からするとこの本はバイブルのような存在であり時刻表だけでなく列車設備・旅行記など大変参考になった。中央アジアでの鉄道旅行では必携品である。
鉄道の乗り心地は悪いという情報を目にしていたが私に言わせれば寝れないほどではない。ウズベキスタンの鉄道よりも乗り心地の悪い鉄道は日本国内含め多数ある。
乗り込んだ時刻は日本時間では時差考慮すると3時ぐらいであり、眠気に耐えられず寝た。