アルプススノー社編集部

移動旅行、ときどき海外

塔ノ岳への無謀な挑戦

丹沢地域にある塔ノ岳に登った。
これは乗り鉄ばかりしてきた私にとって史上初の「登山を目的とした遠出」だった。
また新境地を歩みだしたとポジティブに捉えれば聞こえはいい。
ただ登山好きの方ならお分かりと思うが、塔ノ岳はとても初心者が登る山ではなかった。

催行日:2023年1月28日(土)

秦野→9:23蓑毛9:40…10:37ヤビツ峠

ヤビツ峠行きのバスのりばに向かう。途中の蓑毛~ヤビツ峠間は降雪や凍結があると運休するとの情報を得ていたが、案の定秦野駅のバス停に着くと蓑毛止まりになっていた。

ヤビツまで行かないのか…みたいな話をして引き返す客もそこそこいたが、蓑毛とヤビツ峠は一応登山道で結ばれているので、とりあえず行ってみよう。車内は全く満席からは程遠かった。

蓑毛からヤビツ峠までは比較的歩きやすい山道だった。

蓑毛

 

そもそも残雪がある時点で今日は素人が登りに行くべき日ではなかったが、ヤビツ峠まではそこまで雪もなかったし、まあ行けるだろうと思っていた。

しかし、中盤以降この安易な考えが洒落にならなくなってくる。

ヤビツ峠10:44…12:25三ノ塔12:40…13:09烏尾山荘13:15…14:22新大日

ヤビツ峠レストハウスで少々羽を休め、バス停からしばらく道路を歩いて、登山口に入る。入口から上りが始まる。ここが本来のスタート地点。

途中雪化粧した大山が背後に見えて息を呑む。

三ノ塔で休憩。

三ノ塔


ここからは尾根沿いをどんどん進む。割と上りが続き息が上がる。
三ノ塔の分岐で大倉方面に向かえば、まだ塔ノ岳まで行かずに引き返せる。かなり迷ったが、そのまま前進を決めた。

三ノ塔以降ははっきりと進むべきルートが眼前に見えているのでわかりやすい。

尾根沿いに歩く

しかし、行者ケ岳あたりでさすがに疲れが出始める。

 

新大日14:36…15:05塔ノ岳

この日は雪だらけ、凍結ということもあり、登山客は塔ノ岳にしてはかなり少ないようだった。
烏尾山荘~新大日には鎖場がある。初めてだったのでひいひい言いながら前の人について行った。

延々と続く尾根

新大日で休憩。雪がちらつき始めてサバイバルゲームのようになってきた。
「私はここで引き返すわ…」というような会話が聞こえた。自分もそうしようと一瞬思ったが新大日まで来てしまうと、引き返してもそのまま進んでも大して距離が変わらないので猪突猛進の精神で進むことにする。

やっとの思いで塔ノ岳山頂(尊仏山荘)に到着したが、誰もおらず事前の予習とだいぶ違う風景であった。

塔ノ岳山頂


あとから振り返るとものすごい雄大な景色の中進んでいたんだなぁと思うが、現場では疲れていて、景色を堪能する余裕もなかった。

塔ノ岳15:15…16:24堀山16:30…18:01大倉18:08→18:23渋沢

あとは大倉尾根(通称バカ尾根)を下るだけだったが、正直バカ尾根を舐めてかかっていた。
終わらない螺旋階段の如く延々と階段が続きうんざりする。

この先に何百段もあろうとは…

 

途中にある花立山荘や堀山の家は登山客で賑わっていて皆さん慣れているなあと感じた。特に花立山荘は小休止するにはいいかも。
夕陽が沈むのを横に見て焦るが、膝が痛くてゆっくり歩かざるを得ず、結局大倉バス停に降りる前に日没を迎えてしまった。このときの辛さでトレッキングポールを購入する決意をした。

日没した登山道は恐怖の連続だった。今回冬だったので良かったが、次回はこういうことがないように計画を立てたい。

大倉バス停着。やっと帰れる…

このあと、東海大学前駅の「秦野天然温泉さざんか」に寄って入浴・食事をして帰宅した。
施設自体は駅から徒歩5分ぐらいだが、駅から温泉施設まで歩くのもしんどいほど足が限界だった。
学生で賑わっていたがいいお湯だった。

「さざんか」はこの後すぐに閉業してしまったので、振り返ると苦労して行った甲斐はあったのかもしれない。
歩数は4万歩を超えていた。歩きすぎの弊害で足腰を痛めて、この後4日間ほど階段を登れなくなりエレベーター頼みの生活となった。