2020年9月21日(月)
■釧路8:18→10:49東根室 根室本線
今日は花咲線往復である。花咲線とは釧路~根室間の愛称。
正式名が「根室本線」なのに根室を含む区間が愛称付きなのは腑に落ちないが、平成初期に紆余曲折あって今のかたちに落ち着いている。
初乗車ではないが前回は片道のみ(しかも快速)で、ほぼ寝ていたので今回はしっかり車窓や駅を見たい。
この列車は地球探索鉄道花咲線という根室市の事業の一環の補助金で2両になっている。補助金を付けないと2両にできないなんて、日本の鉄道はなんて貧しくなってしまったんだ。この4連休はSNS上で道東方面の鉄道が阿鼻叫喚というほど混雑していることが話題になっていたが、この列車もご多分に漏れず盛況。
ホームページでは厚岸と落石で駅弁を買えるとのことだったので2つとも昨日予約注文していた。
しかし厚岸は店員がホームにいなくて買えず。調べてみると同様の体験談があり、厚岸の店が1人勤務のためにザラにあることらしい。まあもう1つの落石駅では「たこめし」を買えたので完食。蛸の濃ゆい味に舌鼓を打つ。
今回は日本最東端の東根室駅に降り立つ。碑はあるものの何の変哲もない一般的な住宅にある駅で、碑はあるがここが最東端という実感は薄かった。
■明治町三丁目11:09→11:44納沙布岬 根室交通
東根室駅から15分ほど歩くと、根室駅から納沙布岬に行く納沙布線バスの途中のバス停「明治町三丁目」(「月が丘分岐点」も同じぐらい)に着く。
ここに、日本最東端の駅に降り立ちながら納沙布岬まで行く、という欲張りな行程が成立するのだ。しかし疲労の蓄積のためかここに来て原因不明の腹痛がひどくなってきた。漢方薬でしのぐ。
35分ほどで2度目の納沙布岬に到着。前回は暴風雨で岬の尖端にすら行けなかったが、今日は曇天とはいえ、まずまずの天気。歯舞諸島は見えなかったが、北方館・請望苑(土産屋)などを一通りまわれて満足。前回の悔いは取り返した。
■納沙布岬12:40→13:24根室 根室交通
根室に来たらやっぱりエスカロップを食べねばならない。そう思いこんでいる者。
駅前のニューモンブランはランチ時間切れで入れず、前回と同様15分ほど歩いて「どりあん」へ行った。
かなり混んでいたが20分ぐらい待って入店。バター味のごはんにカツが合うんですねぇこれが。バナナシェイクなどという不相応なものもつけて大満足。
■根室16:12→18:51釧路 根室交通
帰りも2両。50人以上乗っている。
花咲線は全体的に林の中ばかり走行するが、原野の広がる「落石~別当賀間」と霧多布湿原の一端を突っ切る「茶内~厚岸間」はまず花咲線以外ではみられない超絶景区間。ここは日本かと、内地の人間なら誰もが目を奪われる。
(本州の基準では)駅間が異常に長いので眠いが寝てはいけない。スマホの時代といえる2010年台になって注目度が上昇している。
(落石→別当賀間)
シカの出没が多く、釧路に着くまでに5,6回急ブレーキしたが衝突は免れた。車窓からもシカの大群を一時目撃。ダイヤに余裕があるのも納得。
花咲線は2016年に減便されるまで深夜帯にも1往復設定されており根室に0時過ぎに着く列車があったが、さぞかし野生動物との闘いだったろうなぁ…と想像。
今日の夕食は昼間に続いてまたしてもカツ。泉屋のスパカツとなった。
ただやはりさすが4連休と言うべきか、店の前に行ったら20人近く待っていて螺旋状の階段に下まで人が並んでいた。釧路の中心市街地はかなり空きテナント目立つが、人気店はやっぱりこうなる。ダメかとあきらめかけたが近くの幣舞橋を散歩して凌ぎ、30分後ようやくありつくことができた。
もう単体でもかなりボリューミーである。もうパスタというよりもカツでお腹いっぱいになります。泉屋は他のメニューもかなり美味しそうなので釧路観光には是非一度行ってみてはいかがであろうか。
栄町一丁目というバス停から最終のくしろバスに乗り駅前ターミナルへ戻った。
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2020年9月22日(火)
■釧路11:06→11:30釧路湿原 「釧路湿原ノロッコ2号」
シルバーウィークの旅行客が増加し各地で渋滞・混雑が発生しているというニュース。従来海外旅行をしていた人間が国内に流れているとはいえ、北海道なんて外国人で溢れかえっていた去年までに比べたら全然少ないと思うが…
それでもいいぞ、どんどん旅行しろ、という感想。旅行を煙たがるような人間が多数のディストピア社会にしてはいけない。
釧路湿原ノロッコ号は満席。見どころは釧路湿原〜塘路間なのだが、展望台に行くために釧路湿原駅で降りる。4分の1ぐらいが降りた。
湿原の景色の広がりが素晴らしい。
■釧路湿原12:39→13:05釧路13:25→14:10釧路空港15:25→17:25成田空港 MM592
8月に就航したばかりの釧路-成田線。2020年度の数少ない新規就航路線であり、とにかく長く持ってほしいという思い。
これにて旅程終了。こんなに長い行程をほぼ完遂できて充実感よりも驚き。
しかしそれよりも、国内で6日以上にもわたる長旅は二度とやりたくない。そう思うばかりだった。(終)