アルプススノー社編集部

移動旅行、ときどき海外

初めての中国(1)[上海→北京D312次]

2017/9/15

かつて、大学のプログラムを利用して中国に留学しようとしたことがあった。しかし、当時は中国嫌悪が最高潮に達していた時期でもあり、参加人数が定員に達することなく開催されなかった。

前々から北京には歴史にゆかりのある建造物が多く興味があったが、そんな情勢であまり賛同してくれる人もおらず、何年も行かないままだった。

しかし数年前から春秋航空の路線が増え、また春秋航空日本のLCCが天津に就航し、金銭的にもようやく一人旅できる土壌は整いつつあると感じていた。重慶武漢に行った人の旅行記を読んで、ここらへんで行っておこうかなと今春思った。

物好きだとか言われたが、私からすれば、自らが行ったことのない、見たことがない国に対して批判を重ねることへの疑問が、留学しようとしたときの初心から変わっていない思いとしてある。

若干の不安はあったが、重慶大厦に泊まった自分にとってもはや怖いものなどないという自信が自分を包んでいた。

台湾に行った。香港も行った。少し自分には敷居が高い国に行ってみようではないか。

 

■成田空港8:00→9:40関西空港12:45→14:35上海浦東空港

関空から飛ぶのは、春秋航空999円セールを衝動買いしてしまったためだ。振り返るとなぜ茨城や羽田発にしなかったのか・・・

関空第2の国際線ターミナルは初めて利用したが、(当たり前だが)最低限の設備しかないから、くつろぐなら断然第1ターミナルであろう。

春秋航空は私にとって初の海外資本のLCCで心配なところもあったが、総じて親切に応対してくれた。搭乗手続きで申し込みのときの姓名が逆ですよ、と言われる。地味に慌てた。

客層は、中国人:日本人=9:1ぐらいだったが、自分の隣は日本人の親子だった。

 

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よく幻想の中国と現実の中国の乖離は激しいという話を聞いていた。

事実、今の中国は数年前のネット情報があまり役に立たない。検索すると10年以上前に書いたと思われる個人ホームページがたくさん出てくるが、いまいち参考にならない。そのへんを白黒はっきりさせたかったのも動機の一つ。

 

■上海浦東空港15:47→15:55龍陽路16:00→16:10世紀大道16:15→16:30上海火車

40分近く早着したのに連絡バスに20分近く乗らされ、入国。緊張感の欠片もない。

今回なぜ上海浦東から入国したかというと、①春秋航空のセールで関空発を最初に取ってしまった②リニアの最高時速を体験する③最新型の夜行列車を体験するため。

これで中国行を決めたというのも、今思うと荒唐無稽な話だ。しかもこの行程を決めた後に北京の見所を詰め込んでいったので、全く上海での観光時間がなくなってしまった。

リニアは午前と午後の特定の時間を除いて、330km/hで走ることになっている。

これから乗る15時台は「特定の時間」にあたるため、最速の430km/hを出す。運賃は8分の乗車で50元(=約900円)と異常に高い。品川から新横浜の新幹線に乗ってるようなもの。

結局終点で並行して走っている地下鉄に乗り換えることになるんだから、そりゃ乗客すくねぇなぁ。

430km/hはあっという間に過ぎましたが、めちゃ速かったです。大興奮でした。

 

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■上海19:10→7:07北京南  京滬線D312列車

上海駅から初の中国国鉄に挑戦。

チケットを買おうにも駅は自販機ばかりで、窓口がない。

駅の東のほうにある、「售票処」と書いてある薄暗いビルに行く。検索上位の上海ナビも情報が古いな。

 

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どの窓口で買うのかわからず、とりあえず一番人が並んでいるところに並び、パスポートとCtripの予約番号が書かれた画面を差し出し、購入。

窓口のお姉さんはこちらを見向きもしなかった。一人ひとり構ってられないほど人が多いんだろう。

そして手荷物検査を通り過ぎ、駅構内へ。ほっ。人の流れにうまく乗ることが大事。

 

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だいぶ時間が余ったので待合室で休憩をとる。

なにせ勝手がわからないもんだから、時間の配分にも慎重にならざるを得ない。

トイレの横にカップラーメン用?の給湯器があり多数利用していた。

これが中国では当たり前らしく、お湯が出る機械は列車内にもあった。

 

改札が始まった後、ホームに入ると桁違いなスケールに圧倒された。

D312次は今年の7月7日から走り始めた、新型車両を使用した寝台列車である。

うまい具合に互い違いに寝台が配置されている。日本のサンライズ出雲ソロの開放型のような感じだ。

しかし人によるのかもしれないが、寝台によって広さの差が激しく、私のベッドは結構狭苦しかった。

 

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カップ麺を食べたあと特にやることもないので、23時ごろ、途中駅の南京を発車したところで就寝。

大都市を経由しているはずなのに、車窓は駅周辺以外真っ暗であった。