アルプススノー社編集部

移動旅行、ときどき海外

エチオピア航空で行く韓国ムグンファ紀行(1)

エチオピア航空に乗りたいがために、ソウル行きのきっぷを取ってしまった旅。

成田空港20:40→23:20仁川空港 ET672

エチオピア航空は日本国から出発する唯一のアフリカ直行便、アジスアベバ行きを週4往復程度運行している。
その飛行機がソウルを経由するのでこれに乗っかってしまおうという魂胆である。韓国に行きたいというよりこれが目的で他は後付けだった。

機内に乗り込むと、エチオピアの民族衣装を着たビジネスクラス向けのアテンダントが迎えてくれた。

ET673 ソウル経由アディスアベバ

機内は予想に反して混んでいて8割ぐらいの座席が埋まっていた。
まぁこのLCC並みの価格でフルキャリア並みのサービスを享受できるなら、私からしたらもう十分。ただ私の席のオーディオサービスの液晶は触っても反応せず壊れていた。

機内食も出てアテンダントにチキンかパスタを選べと言われたが、私は最初よくわからず適当に返答していたらチキンが選ばれた。
仕事終わりに直行したため、ほとんど機内では食事以外寝ていたがアフリカの風(?)を感じたため良しとする。

問題はこの時間に仁川に着いても空港鉄道の終電に間に合わないことだ。飛行機ありきの旅程を組んでしまったため当然のように空港泊である。
当たり前のように空港でベンチで寝られるあたり、まだまだ体力はある。
ただ木製ベンチで3時間も熟睡してしまうあたり、日頃の疲労の色は隠せなかった。危うく寝坊しそうになった。

今回楽天モバイルで通信を賄う計画だったがバタバタで忘れてしまったため、仁川国際空港simカードを購入。
加えて空港駅でT-moneyカードを購入した。
このカードは滞在中何度も使うことになり、これが欠けていたらスムーズな移動や買い物はできなかったと思う。本当にファインプレーだった。
空港鉄道の乗り場の手前にカードの自販機が置いてあるので不自由しない。
ただ「直通列車」にこのICカードを使うことはできないので注意!

仁川国際空港T1 5:23→6:07ソウル6:24→8:27光州松汀 直通

完全にエチオピア航空のことしか考えずソウルまで来てしまった。
韓国に来たと言っても、何をやっていいか分からず。韓国の鉄道は私は完全な無知である。
とりあえず今しかできないことを洗い出したら、出てきたのが「光州シャトル」と「慶全線」であった。

これには仁川国際空港を始発の直通列車で出発しなければ間に合わない。
全く歩いたことのない初見のソウル駅で乗り換えを17分で成功させなければならないというプレッシャーは大きかったが、まぁ結果的には成功したのでよかった。

ソウル駅、圧巻の風景に思わずため息

 

「光州シャトル」とは光州松汀駅⇄光州駅間を結ぶ普通列車の通称。
このシャトルに乗るために光州駅に向かう。
ほとんどの高速列車が半郊外の光州松汀駅を通るようになってしまったため、接続するシャトル列車を運行しているが、利用は低迷しているらしい。

「光州シャトル」の利用促進広告

この路線で使用されているディーゼルカーは2019年までソウルの京義線で運行されていたが、韓国国内ではもはや風前の灯といってもいいほど使われている路線が少ない。
見かけも塗装が剥げ落ちてボロボロに見えた。光州線での運用もじきに終了する見込みだという。

ボロボロのDC車体(光州駅)

光州行きはガラガラ。帰りはそこそこ乗っていた。2駅を15分で結ぶ。
光州駅はKTXこそ一本もないものの、SRTと呼ばれる高速鉄道が走っているので別にシャトルがなくなっても路線が廃止になることはなさそう。
SRTはソウル郊外の水西駅と地方都市を結んでいる列車のことだが、KTXと何が違うのかよくわからない。

光州松汀駅は駅の中にコンビニやうどん屋があり食い物には苦労しない。光州駅と比べてにぎわっていた。

 

光州松汀10:33→16:03釜田 慶全線1952レ

光州松汀から慶全線のムグンファ1952列車釜田行きに乗る。

1952列車 釜田行

慶全線は木浦・光州から順天・晋州・昌原を経由して釜田(釜山の手前の駅)を東西に結ぶ路線だが、木浦ー順天間はわずか4往復しかない。

順天での接続はあまり考慮されておらず、光州から釜山方面への移動に使える列車は事実上通しで走るこの列車しかない。

 

初めてのムグンファが慶全線なんて人は稀すぎるだろう。
うなる機関車の音、滑らかな発進などたまらない。入れ代わり立ち代わり客が乗ってきて自分の横の席の客は3回入れ替わった。
韓国鉄道公社では次々に路盤が高規格に造り替えられているとのことであるため、順天までの旧来の路線をゆったり走っていく区間は、貴重な体験となった。
順天からは高規格路線に変貌しKTXと遜色ない走りになった。ムグンファらしさは少し薄れた。



順天から昌原中央駅辺りまでうたた寝。院洞駅では大量に乗ってきて満員状態。そのまま釜田駅に到着。

降りて初めて2両編成だったことを知った。2両の客レなんてアジア諸国見てもなかなかない…

 

釜田16:25→16:27西面 1号線

腹が減っていつも通り限界なため、西面駅近くのデジクッパ通りでクッパを食べることにした。私の初めての韓国外食は釜山ということになった。

浦項デジクッパ

8500ウォンでクッパ、副菜一通り食べられる。
まだ17時前ということもあってかなり空いていた。営業時間は長くほぼ一日中営業している。いつでもやっているというのは、大変ありがたいですね。

www.konest.com

西面→チャガルチ→甘川文化村

せっかく釜山もとい韓国に来たからには何か観光らしい事をしなければならない。前から気になっていた甘川文化村に行ってみることにした。

甘川文化村を経由するバスには表記がある(1-1系統)

チャガルチ駅から1-1番バスでスタート。チャガルチ駅からであればバスは始発同然なのでほぼ座ることができる。

行き方については別のサイトが詳しいので省略するが、一つ言えることは、地図で見ると近そうに見えるが絶対に徒歩で行くなどという気を起こさない方が良い。バスはものすごい坂道を登っていった。

 

甘川文化村は一本の大通りを歩いていれば、ひと通り観光ができる形になっている。
基本的にバスを降りた所からまっすぐ伸びる観光案内所の通りに沿って歩いていれば、展望スポットや「星の王子さま」などを観光することができる。私は当初文化村の構造がわからず、階段を下ったり登ったりしてかなり体力を消耗してしまった。

甘川文化村

 

文化村は9時から18時までに訪れることが推奨されているが、私はぎりぎり間に合わなかった。
まあ門が閉じられるなどというわけではないので、日がギリギリ昇っていれば観光はできる。
夜景に映える海と文化村の風景がいい思い出として刻まれた。

busan-hikoukiya.com

 

甘川文化村18:55→19:10チャガルチ19:15→19:20釜山駅

デジクッパだけでは足りなかったため、駅前の路地裏にある店でデジカルビを食べた。

ameblo.jp

野菜の味はそこまでではないにしても、この韓国という国において一人焼肉ができる店があるのは大変ありがたく感じる。店員には大変親切にしてもらった。
本当はチーズタッカルビの店に入りたかったが、2人前からが多くてなかなか一人で入りづらい。

busan-hikoukiya.com

 

釜山駅舎の夜景はとても美しい。
毎度最も旅行に行きたくなくなるのは旅行直前であるが、その倦怠を乗り越えていざ現場に立ってしまうとなかなかいいじゃんと思わずにいられない。