アルプススノー社編集部

移動旅行、ときどき海外

西九州乗りつくし(1)

佐賀・長崎の鉄道に乗り尽くす旅です。

 

◆市川真間5:10→6:18成田空港7:05→9:05福岡空港 京成・ジェットスター

 

ジェットスターでようやくウェブチェックインができるようになり、頗る便利に。第3ターミナルから乗るのは初めてで、搭乗口からのバスが無くなったのはメリットだが、どんだけ歩かせるんだというぐらい歩く。朝方なので、通路脇のソファーで仰向けになって寝ている人が何人もいた。

 

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4連勤の翌日で、しかも4時間しか寝ていないのが祟って、福岡空港までの道中は爆睡。離陸着陸の際も寝ていて、福岡に着いた際、耳の感覚がおかしくなりそうだった。数十分の遅れを覚悟していたが、8分早着。成田が新しすぎるのか、福岡空港到着ゲートの施設が古めかしく感じられた。

 

 

福岡空港9:27→9:33博多9:53→10:31筑前前原10:32→11:20唐津 地下鉄空港線筑肥線

 

一旦、恒例の旅名人きっぷを購入するために博多で下車し、再び市営地下鉄線に乗り込む。

 

筑前前原でほとんど客が捌けると思ったが、西唐津行きも乗客は横ばい。

乗客のほとんどがメーカー勤務風のサラリーマンで、オヤジ臭が車内に充満していて逃げ出したくなった。行き違う姪浜方面行きの列車のほうが空いていて、この地域は自分が思い描いていた人の流れと違うのかなと思った。来てみないとわからないことって多いなぁ…

筑前前原~唐津間は通勤車両ではもったいないぐらい海が見えて、青い景色が広がった。

 

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伊万里駅筑肥線松浦鉄道の線路が分断され、完全に別の駅になっている。駅舎も別々で、乗り換えは階段を上り下りして3、4分かかる。

地図で見ると、駅が県道で分断されてしまっているように見える。この構造になってからすでに14年近くが経っているようだ。伊万里市では鉄道の重要性は低いらしい。

 

有田まで乗りつぶしたあと、平戸方面へ。

 

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どの列車も、乗客は10人弱でのんびりとした雰囲気が漂っていた。有田では駅弁大会によく出る「有田焼カレー」が1600円で販売されていた。ちょうど空腹だったが、さすがに荷物になるので横にあったサンドイッチで我慢した。

 

 

 

そうして、到着した「たびら平戸口駅」。

普通鉄道では日本最西端の駅。旅を重ね、北→南→東端の順に制覇してきた。最初の稚内に行ってから、3年10ヶ月が経過していた。

東西南北制覇!…と感慨にふけりたいところだったが、関東から飛び出してきてわずか半日では、あまり実感が沸かなかった。

ただ、とにかく暑いのみ。6月上旬だというのに暑すぎる。この日の長崎の気温は32℃だったらしい。

 

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なかなか地理的にも立ち寄れない街なので、記念にレンタサイクルを借りて平戸城を観光しに行った。このレンタサイクルが生涯で初めての電動アシスト自転車だった。

初めはなぜ普通の自転車じゃないんだろ、ぐらいにとしか思っていなかったが、結果的に電動アシストは最初から最後まで大活躍だった。

もうとにかく駅から平戸城平戸市街までの道中は坂道だらけなのだ。電動だから片道約20分で到達できたが、普通の自転車だったら、途中の平戸大橋で挫折していたと思う。

 

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たびら平戸口16:20→17:47佐世保 松浦鉄道西九州線

 

1駅目の西田平で、さっそく中学生が大挙乗車。

地方の第3セクター鉄道は学生の利用で支えられている所がほとんどだが、特に松浦鉄道は時刻表の本数や駅の多さが顕著で、ああ学生のために走っているんだなあと感じる。

 

 

たびら平戸口駅の駅員さんがとても親切で、写真を撮ってくれた。普段あまりないだけに、地方人の温かさを感じると、旅が趣味でよかったなぁと思う。

 

 

佐世保18:11→18:23早岐18:27→20:49長崎 大村・長崎線

 

当初は長崎に寄らずに武雄温泉あたりで宿泊する予定だったが、武雄に目ぼしい宿がなく、長崎線旧線を乗り残すのも癪だったので出発の2日前に変更。

 

大村線は2年前に乗ったことがあるが、その時は深夜帯で海岸美を全く見られなかったので、その心残りもこのルートで回収できそうだと期待していた。

 

案の定、彼杵~千綿間では夕日が海に重なり、絶景を目に焼き付けられた。さすが18きっぷのポスターに選ばれただけのことはある。これはとても良かった。

 

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…ただ、3両編成にもかかわらず、ハウステンボスを過ぎても、彼杵を過ぎても、全く乗客が減る気配がない。目の前の新社会人らしき男性は、諫早までの定期券をぶら下げている。どこが、地方交通線なのか。

せっかく佐世保駅で買った佐世保バーガーが冷めてしまう…と内心焦っていた。

それとは裏腹に乗客は増えていくばかり。竹松・大村でとどめと言わんばかりに、大挙して部活帰りの学生が乗ってくる。車内に汗臭さが漂った。

ようやく落ち着いてハンバーガーを口にできたころ、列車は諫早に着いていた。

 

諫早で乗り換えた方が数十分早く長崎につくし、さすがに長与回り(=遅い)なのでここから空くだろ…あれ?西諫早・喜々津でも乗ってくるのか…長与でも思ったほど降りないんだな…なんだ、長崎着いちゃったよ…

 

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予想以上に長与廻りの小さな駅で乗り降りする学生がいたことと、(これは推測にすぎないが)結局のところ座って帰りたいという欲求が勝ってしまうのだろう、と思った。

 

こんなに人の流れが読めないものかと思った。

 

人生で3回目の長崎であった。