アルプススノー社編集部

移動旅行、ときどき海外

四国の右下観光列車ざんまい(2)

素泊まりなので、「はりまや橋食堂」という朝食専門の店に乗り込んだ。
手書きのメニューが壁中に張られている。セットが安い。また高知に来たときにあるか微妙そうな店だが*1、地域の集会所という趣で印象は良かった。

Aセット 390円
高知9:19→10:50奈半利11:01→12:00室戸岬 土佐くろしお鉄道ごめんなはり線・高知東部交通

土佐くろしお鉄道奈半利行きの各駅停車に乗り込む。
車内のトイレが壊れていた。この旅行中、トイレが壊れていたり入れなかったり鍵がかからなかったり…ということが何度もあり、祟られているのかとまで思わされた。

奈半利駅から高知東部交通のバスで室戸岬に行く。乗客は10名ほどいたが、室戸市街地でほとんど降りた。

私は室戸岬10年ぶり2度目となるが前回は展望台だけ上って終わった。
国道沿いをハチが徘徊しており、展望台に行く藪の中も危険と判断。今回はじっくりと海辺の地層とやらを見学。

室戸岬から灯台最御崎寺方面を望む

室戸岬ジオパークとして売り出し中らしいが、路線バスで来ると1つ1つの建物がかなり離れていているので、水族館やジオパークセンターは岬からとても歩いて行けない。地理的に仕方のないことではあるが、結局岬だけ見て終わってしまうことになる。

室戸岬12:47→12:51西下町 高知東部交通

雨が降り、岬では風も出始めた。
一通り海岸を散策したあとさらに雨が強くなってきたが室戸岬はほとんど屋根の下で過ごせる場所がなく、休憩所は手狭だし、トイレはカメムシだらけ。

岬にあった唯一のカフェを昼食会場に当て込んでいたのに、あっさり休業。このままだと徳島まで夕食にありつけないということになってしまう。

こんな野ざらしの中にこのあと1時間以上も滞在するのは現実的ではないという判断により一旦「海の駅とろむ」まで戻って、昼食店に突撃してみることにした。

高知東部交通のバスは海の駅は通らないので、近くのバス停から徒歩7分ほど歩く必要がある。

ただこの「海の駅とろむ」は、名乗ったもん勝ちだろう…と思ってしまうぐらい、駐車場同然の場所。これのどこが駅なんだという感じであった。

今は一軒の飲食店が営業しているが、2022年の一時期はバス停以外何もない時期があったとのこと。

その一軒の「室玄」という飲食店に突撃し、なんとか1000円ランチを食べることができて九死に一生を得た。

室戸魚フライ定食(1,000円)

私たちが食べ終えて出る頃にはもう完売したということだった。もともとそんなに数も用意してないんだろう。店内にいる半分ぐらいの客はこの後DMVに乗っていたので、経済的需要はあるのかもしれない。

海の駅とろむ13:48→14:58宍喰駅 阿佐海岸鉄道 DMV

ここからはお待ちかねの阿佐海岸鉄道DMVに乗車する。DMVとは鉄道の線路を走れる機能を持つバスのこと。日本国内

でここしか走っていない。
土日昼間の1往復だけ、この海の駅始終着で室戸岬方面に直通している。

阿佐海岸鉄道 阿波海南文化村行き(海の駅とろむにて)

始発から乗った人はかなり多く、岬から乗った人もいたが特に学校水族館を過ぎてから海の駅東洋町までは全く店もないようで淡々と走るのみ。

右手には、荒涼とした海が広がるばかり。これは鉄道がなかなか通らなかったのもわかる。
DMVになると聞いた時は室戸岬まで来る便が増えるのだと思っていたが、そもそもDMV保有台数が3台しかないので、室戸岬まで何便も車を走らせると海陽町内の便が手薄になってしまうらしく、土日のわずかな本数に甘んじているということらしい。
まあDMVはお世辞にも旅行客向けの乗り物ではないかな…と思った。とにかく車内が狭いし、荷物を置く場所も限定されている。

甲浦駅からはモードチェンジとして鉄道のレールの上を走行するが、結構雨が強く降っているのに傘をさして見学している人が何組かいてびっくりした。
甲浦駅はかなり中心市街地から離れた場所にあるのに…
このDMVも観光資源として定着してきているのだろうか。

阿佐海岸鉄道は鉄道時代当時でさえなぜ20年以上(2013年時点)も生き永らえているのか…と思ってしまうほどの路線だったので注目されてるだけいいことなんだろう。

自動放送でバスモードから鉄道モードにチェンジする演出が車内のモニターで流れるが、ものすごい無機質な自動音声でスタートとかフィニッシュというので思わず吹いてしまう。

宍喰駅

宍喰駅は唯一の有人駅。

ここで鉄印をもらうことができる。ようやく39箇所目。あと一箇所でコンプリートまで来た。(あと一箇所は南阿蘇鉄道

駅員のおじさんがめちゃくちゃ気さく。近所の八百屋の店員みたいな人で色々な販促品を頂きタジタジであった。

宍喰15:10→15:27阿波海南16:08→18:00文化の森19:32→19:43徳島20:21→20:58鳴門 牟岐線鳴門線

たまたま続行している次のDMVに乗車し、牟岐線の終着駅となった阿波海南駅に到着。

阿波海南駅は線路がぶった切られている。
実際にこの光景を眼前に見ると、これで良かったのか…?と何とも言えない心境になる。

阿波海南駅(JR)のホーム

阿波海南駅は近くにコンビニなどがあるので、最低限の食料調達に困ることはない。

ここからとりあえず牟岐線文化の森駅まで北上。
私は牟岐線は2回目だが前回は特急むろと号で爆睡したまま終わった*2ので、こんなに長い路線だったのかと再履修して改めて感じた次第である。
阿南駅を過ぎると停まる駅ごとに客が乗ってきて、土曜なのに1両の車内は通勤列車のようになってしまった。

やはり徳島ラーメンを食べないわけにはいかない。
恒例となりつつある「ラーメン東大」に行きたいが、徳島駅の近くの東大(大道本店)は過去2回行ったがかなり混んでいることが多いので、沖浜店という少し外れの店に行くことにした。

牟岐線文化の森駅で降りて10分ほど真っ暗な県道を歩いて行った。
文化の森駅から沖浜店まではそこまでの距離ではないが、国道55号線のアンダーパスを巧みにくぐって駅と反対側車線に渡ることが求められ、暗闇の中グーグルストリートビューを使っても到達に苦労した。
夜にこのルートを初見でたどり着いた人がいたら、天才と激賞してよろしい。

この位置に来るのに一苦労(沖浜店)

徳島ラーメンはやはり卵がサービスでついてくるのが良い。肉増しもポイント。沖浜店自体は空いていてラーメンもとても美味しかったので、近くに来た場合はいいんじゃないか。

東大ラーメン ライス付き

この後は惰性で鳴門駅まで行き宿泊。
室戸岬からほぼ雨雲と一緒に移動していたため、鳴門駅を出ても変わらず土砂降りであった。

TOKUSHIMA STATION

 

*1:その後「はりまや橋食堂」は2023年11月下旬ごろから休業しているそうです。上記は10月中旬時点の内容です。

*2:2013年当時は日中にも特急があった。