アルプススノー社編集部

移動旅行、ときどき海外

山口宇部どこかにマイルの旅(1)【岩日線ルート】

私のライフワークとしていたJR完乗計画は着々と進み、ついにあと5路線(北海道新幹線仙石線常磐線美祢線宇部線)の一部を残すのみとなった。このうち2つを今回乗りつぶしJR西日本完全乗車を達成するための旅行。
いい加減に終わりにしたいのだが、乗りつぶしも鉄印帳もなかなか終わらない。

山口県美祢線宇部線の乗り残しはいずれすぐ来るだろうと高をくくっていたら前回の訪問から5年も経ってしまった。これは5年前の忘れ物を取りに行く旅である。
ただ、ゴールは目前なので2022年中に乗りつぶしは絶対に終わらせる。

2021年は乗り鉄旅行が多くて観光をろくにしていないので初の御朱印を目指して少しゆったりとした旅程にしたい。(毎回言ってます)
私自身とにかく激しい移動をしたがる悪癖があり、2020年以降は海外旅行より国内のほうが多いにもかかわらず持ち出しが以前よりも増えているという問題があった。
今後は「どこかにマイル」制度を積極的に活用して、意中の目的地を引き出す作戦を使用していきたい。

 

羽田空港7:55→9:45山口宇部空港10:13→10:51新山口11:09→13:15岩国 宇部山陽線

山口宇部に10時前に降り立ち、さっそく空港最寄りの草江駅に向かい宇部線を利用する。これは前々からずっとやりたかったこと。
草江駅は地味すぎる空港最寄り駅として名を馳せており、空港のターミナルから歩いて8分ぐらいの場所にある。

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宇部線草江駅


同じく空港から利用の先客が7人ぐらいいた。
宇部線を使うと空港発シャトルバスの半額程度で宇部市街地や新山口に出られるので時間が合えば利用してみるのがおすすめ。
宇部山陽線を乗りついで岩国駅へ。山口県を走る山陽線の列車はけだるい感じがとてもいい。最初から岩国空港使えと言われそうだが、岩国はJALが飛んでいないのでどこかにマイルは使えない。

岩国13:29→13:40川西 岩徳線

岩国駅から岩徳線の列車がたまたまあったので、錦帯橋観光ということで川西駅へ寄った。川西駅は錦帯橋の最寄り駅であると同時に地元の岩国高校の最寄り駅でもあり、平日で岩徳線の列車はかなり混んでいた。

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岩徳線川西駅

 

錦帯橋を見に行って軽く往復。40分しかないので早歩き。かなり慌ただしい観光となった。

錦帯橋はやはりいつ訪れても美しい。

前回は西岩国駅から錦帯橋に行き今回は川西駅からでどちらもそこまで徒歩時間は変わらないが、川西駅からの方が道がわかりやすく迷うこともなく着けると思う。

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錦帯橋

川西14:29→15:29錦町15:35→16:00六日市 錦川鉄道岩国市生活交通バス

錦川清流線国鉄からの転換路線だが国鉄の時は岩日線(岩国と日原[島根県]を結ぼうとした路線)という名前だった。錦川清流線からの旧国鉄岩日線をバスでたどるルートを一度やってみたかった。
なぜ平日に無理をして大移動をしているのかというと、錦町駅から出る六日市行き(島根県吉賀町)のバスが火木金しか運転していないことが原因。

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岩日線ルート(地理院地図より加工)
錦町~六日市間:岩国市生活バス 六日市~日原間:六日市交通



地域のコミュニティバスなのになぜ特定の平日しか走らないのか…

しかもこの岩国市生活バス六日市線は市営なのに島根県に越境しているバスという意味でも貴重な存在である。

このルートは私が本当にただやってみたかっただけなので山口旅行にもかかわらず初日は島根泊になった。

錦川清流線は川西駅に5分ほど遅れてやってきて少し曇った気持ちになる。というのも錦町駅での6分乗り換えを成功させなければこの旅程は詰むからである。
この先、1日に2~3本しかないバス路線が連続し、日原に着くまでは1本逃した時点で詰み。今日の宿は益田市に定めてしまっているため、これを失敗すると、少なくとも清流新岩国駅からやり直しとなり非常に面倒なことになることは火を見るより明らか。錦町行きが遅れたのを見て急にプレッシャーになってきた。
まぁ結果的に遅れを巻いてくれたので事なきを得たが、このルートで鉄印をもらいながらバスに乗ろうとするのは極めて危険です。岩国市生活交通バスは列車の待合などもなくただ行ってしまうような感じなので捕まえないと詰みです。鉄印なんかもらっている場合じゃない。
ごく一般のジャンボタクシーで客は私1人しかいなかった。私の他に客がいなかったので特定日の謎もよくわからないまま終わった。

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辺境風景

むいかいち温泉ゆららに行くには蔵木口バス停で降りると近いのだがこのタクシーは停留所案内も何もなく、気づいたら「六日市」バス停に着いていた。

六日市温泉ゆらら17:00→17:57日原18:16→18:38益田 六日市交通・山口線スーパーおき6号

「道の駅むいかいち温泉ゆらら」の敷地自体が本来であれば岩日線の六日市駅になる予定だった場所である。

錦町から六日市までは路盤はほぼ完成しているような状態だったと言われる。

ここも鉄建公団が建設したわけだが、この公団が建設した建築物の爪痕が今でも(いろいろな意味で)響いている場所は全国にいくつもあり、時代の活気の名残を感じる。

「むいかいち温泉ゆらら」にあえて入っているのはマンホールカードを配っていることと、次の六日市交通の路線バスの始発になっているため。

六日市から日原に行くバスは1日2往復しかない。この本数でも利用客はいた。学生と病院の利用者(とくに後者)向けのダイヤが設定されているようだ。完全な部外者だったので、親切な運転士さんがどこまで行くのかと声をかけてくれた。

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六日市交通日原行き


日原方面行に乗るときは「ゆらら」か「六日市病院」から乗った方が、停車時間があるので安心して乗車できるように思われる。時刻表に載っている「六日市」バス停は待合所が少し奥まった場所にあり地元の色々なバスがごちゃごちゃ入ってくるので、六日市交通のバスをうまく捕まえられない可能性があると現場を見ていて感じた。
吉賀町(旧六日市町)から日原町に入り、日原駅で降ろさせてもらう。真っ暗なので駅に着いたことがわからず。一日2往復の岩日線の予定を見事に達成。素晴らしい。
ちなみにこの逆ルートをやると六日市で2時間以上待ち時間が発生するのだが、ゆららや物産店で時間はつぶせるので大丈夫。岩日線の遺構巡りも時間があればやっていいかと思う。

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日原駅

日原駅は予想以上に町の玄関口とは程遠い田舎駅。津和野町へ合併前する前は天文台が近くにあり星座観察を売りにしていたようだ。
ちょうどこのバスに接続する山口線は特急スーパーおき6号なので青春18きっぷでは乗れないのだが、こんな寒いなか山中に放り出されていても困るので、課金して益田に出た。自由席乗車率は2人がけに1人程度。

今日は始発で出発したこともあり。体力的に限界で投宿。夕食に台湾料理屋に行くのがやっとだった。(続く)