2020年12月12日(土)
成田空港8:00→9:40新千歳空港
前回に引き続き、ただ淡々と切符を集めるだけの移動。
通常6~7往復あるはずの成田ー札幌間のジェットスターが、この土日は札幌市の陽性者数急増の煽りでなんと1.5往復にまで減便されてしまった。
ドル箱のはずの千歳線でこんなことを起こしている、このしわ寄せは数年後にものすごい不況の波として襲ってきそうで怖い。
今回予約した便が結果として往復とも奇跡的に運休をくぐり抜けたので、謎の啓示を感じてまたきてしまったわけ。
しかし国内でお茶を濁しているのもいつまで続くんだろうか…。国内旅行がつまらないとは思わないが、海外にのめりこむのが日常だった嗜好を再び国内に戻すのは空虚な気分と常に隣り合わせである。
春頃にANAの上役がのたまっていた航空需要が回復するのは2024年頃という話はあながち間違っていないのかなーと思いつつも、そんな悲壮な未来はあまり実現してほしくない。
歴史を見ても、鎖国を数百年も続けたことのある民族だけでは開国する世論になるわけがないので、今回もワクチン接種して安心を享受した外国人にガンガン来てもらって外圧で入出国規制を叩き潰してもらわないと、高齢者になる年まで開国しない、一生マスク生活などということが十分ありうるので困る。
新千歳空港9:42→9:45南千歳10:00→10:16苫小牧10:23→11:38東室蘭
普通東室蘭行きは、やはりこの前が3時間近く空いているからか座席が埋まるほどには乗っていた。
苫小牧ー登別間はとにかく線路がまっすぐなので、景色に変化はあまりない。
JR北海道の現場は薄給で大変だろうに、特別急行と言ったり、この状況下でも発車するときに笛を吹いているし鉄道員としての矜持が感じられる。
窓口でも不快な駅員にほとんど会ったことがない。美唄や小樽など千葉駅より長く窓口を開けている駅もいくつもある。まあそれがいい事なのかはさておき…
東室蘭12:28→12:40室蘭13:38→13:49東室蘭
結局味の大王東室蘭店で昼食。幌別に寄ろうかとか色々考えたが腹が減って考えるのも億劫になり、色々と失敗している。わかめともやしで中和されているがなかなかに辛い。
今週発表されたダイヤ改変の概要で、室蘭周辺はほぼ新型車両に置き変わることになった。まだ北海道色の今までの車両が眼前にゴロゴロいるのに、これが3月で一掃されるというのは少し信じがたい。
室蘭に来たのは実に9年ぶり。室蘭駅から歩いて5分ほどのところに室蘭観光協会がありマンホールカード・夜景カードをもらうことができる。
この駅舎は旧室蘭駅舎であり現在の室蘭駅が建てられるまで使われていたそうである。屋内展示を見ていても、過去に石炭輸送で絶頂を極めていたころばかりが際立つ。
日本で最後まで定期列車としてSLが走っていたのも現在の室蘭線室蘭~岩見沢間であり(1975年12月)、この区間でSLが最後に走ったというのはまさに炭鉄港の歴史としてもふさわしい。
東室蘭13:54→15:14小幌15:42→16:01豊浦 室蘭本線
目の前に座っている人が長万部↔東室蘭という定期券を持っていた。いやーこの本数(1日4.5往復)で日常利用してるのは礼賛されるべき。旅行客風の身なりの人が豊浦を過ぎてもそこそこ乗っていたのでみんな小幌駅に行くのかと思ったが、意外にも降りたのは私を含め2人だけだった。
小幌駅とは国内現役の駅としては屈指の秘境に位置するとされる駅。まあ簡潔に言えばあまりに利用客がおらず何もない駅のこと。
2000年頃に秘境駅という言葉が流行して今ではすっかり定着したが、この小幌駅は秘境駅発起人の選定したランキング1位に選ばれている。
さすがに年月が経つと廃止される駅もチラホラ出ているが、この時期は豊浦町のご尽力のおかげで2016年からは町管理となり、証明書や記念切符を売ったりツアーが催行されるようになっている。
このような駅のために停車する列車は限られ、2020年現在ではこの乗り継ぎが小幌駅を最も手軽に訪問できるゴールデンルートとなっている。
国内トップレベルの秘境駅こと小幌駅はやはりすごかった。まず周りに道がないと聞いていたが実際にホームを降りても、舗装もされていない空地にトイレと保線小屋が経っているだけで、通ずる道路はない。少し歩いても雑木と遠くに見える海しかないのを目にすると、常識があぶなくなる。
駅の南に行く岩屋観音の道はとんでもないほど急峻な山道で、落ち葉が散らばり滑落の危険を感じるほど。とても運動靴で進めるような場所ではなかった。ただし枯れ木の間から見える夕日はたまらなく美しかった。
駅から岩屋観音は歩いて30分はかかるという距離なのでさっさと諦める。内浦湾に沈み始めた夕日を見て途中で引き返した。
室蘭本線は幹線であり、小幌駅はトンネルとトンネルの間にあるので通過列車がバンバン通る。この28分というわずかな滞在時間でも3本の特急北斗と貨物列車が通過していった。
東室蘭方面のホームに移動するにはトンネルの横に貧弱そうな遮断棒のある踏切がひとつあるだけなので線路を渡るのが恐ろしかった。まあ自動放送で教えてくれるのでそこまでびびることもないのだが…
小幌駅を訪れるのは雪のない11月、もしくは5月頃が絶好のシーズンであると言ってもいいと思う。現地の張り紙を見ると、夏はスズメハチが出没するようだ。最近の小幌駅は有名になってきて1日に数十人が降りるということもあるらしいが今日は空いていて結果的に満足した。
しかも帰りに来たのはキハ40系。もう来春からは見られなくなるこの姿に、テンションはうなぎ上り。全体的に大興奮で豊浦駅まで戻ってきた。
しかし豊浦で体調が悪化しいろいろやらかした。
まあ豊浦温泉しおさいに入って、ひとっ風呂浴びて少し気持ちを落ち着かせ帳消しにしようと思う。
この辺りは海辺なのでとにかく寒い。千歳に着いたときはそこまで寒くもないなと思っていたが、ここは風が吹き付けこの日の豊浦町はマイナス1度。
天然温泉豊浦しおさいでは入場券と小幌駅到達証明書を売っているので端から行く予定ではあった。食券機で、北の大地の入場券を買うという斬新なシステム。
またここでは小幌駅の駅名標と一緒に自撮りした写真を見せると、記念の証明書をもらえるというサービスを2018年からやっている。私のナンバーはちょうど1100を超えたあたり。2年間で1000人も訪れているのか…1日1人は絶対に来ている計算だ。
豊浦17:19→17:57長万部 室蘭線
長万部行きは、乗客10名くらいでほぼ地元民。小幌以外の大岸、礼文、静狩は利用客がいるのをはっきり目撃したし、繰り返しになるがこの惨憺たる本数で定期利用しているのはすごいね。
長万部18:15→21:20函館 函館線
未だに長万部以南はキハ40の牙城なので、この列車は楽しみにしていた。
老兵なお盛ん。単線区間もあるが特急街道なので軽快な走り。
乗客8名。途中八雲で10名になったが落部で3人。その後は大して増えることもなく函館に着いたときも5人程度。普通列車は停車時間こそあれど、八雲でも森でもことごとく駅舎と離れた側のホームに止まるので乗り降りは大変。
食糧調達する場所がないと見切って、東室蘭の四季彩館で買っておいたお食事「やきとり弁当」を食す。10個限定という言葉に負けて手が伸びてしまった逸品だが、炭火焼きでしっかり炙って肉が締まっていた。
八雲で長時間停車する普通列車は上下1往復しかないためかなり貴重なカード。しっかり収集、森でも収集し函館到着。
ここで森では「大地」のほうしか買っていなかったのだがこの時は全く気がつかなかった。
不釣り合いなほどホーム有効長の長い函館駅に滑り込んだ。この函館駅に入る前と青森駅にも同じことが言えるが列車が到着する時には窓の外を見ていると情緒たっぷりだ。
流石に寒いです…。
今回も弾丸旅程なので碌に観光ができることになっていないが、せめてグルメぐらいは函館名物を取り入れようと思うので「ラッキーピエロ」を初めて訪問した。ここに来たかったんですよ。
折しも函館駅前店が10月29日にオープンしたので函館駅から歩いて2分程の朝市街道の中にラッキーピエロがある。
全体的にメニューが多すぎて、初めて行くと何を頼んでいいのか全く分からん。ハンバーガー屋を騙った沼のようなファーストフード屋という印象。
「ダントツ人気ナンバーワンセット」のチャイニーズチキンバーガー+ラキポテ+ウーロン茶のセット(680円)を注文。地域共通クーポンを使うため調整で土産をつける。チャイニーズチキンバーガーの鶏肉は4つ入っていて結構柔らかかった。これは本州ではあまり食べたことのないハンバーガーの味だ。ラキポテとはチーズ味のバーベキューフライドポテトのようなもの。十分おつまみとしていける。
土産コーナーは商品の品ぞろえが豊富。ラッキーピエロは道南の函館エリアにしかないため、この店で買ったもの全てが函館土産になる。
とりあえず固形物は重いので飲み物をいくつか買って持ち帰ることにした。
しかし函館に通算3回も来ているのに、一度も函館山からの夜景を見ていないというのも…やはりここも異常旅行者である。
今回行けなかった言い訳としては、函館山のロープウエイは21時以降は動いていないからだ。函館は夜景がキレイといえども21時以降まで空いている施設は多くないので、私としてはどうしても見逃してしまったということになる。
青春18きっぷのシーズンだったら同じような事をやってる人が必ず一人二人いるものだが、今回は旅行客がとにかくいない。まあやり方はどうであれみんなで経済を回して行こう。夜風呂に入ったらめちゃくちゃ体が冷えているのを感じてしまった。