2019年6月9日(日)
平成の大合併で4町村(田島町・舘岩村・南郷村・伊南村)合併により誕生した南会津町をめぐる。
福島県大沼郡昭和村から国道401号線を南下し、旧南郷村方面へと向かうところから。
■藤八の滝
昭和村の大芦地区を過ぎると、国道401号線は酷道に変わる。
国道401号線の新鳥居峠付近はかなりの山道であるがカーブミラーすらない。途中にある高清水自然公園でひめさゆりを見に行こうとしたが、閉園中で残念。
藤八の滝の入口にある看板には、その昔佐川藤八という人物がこの周辺を開墾し集落が永く栄えた、と書いてあった。
滝はすぐ見えるが、しかしこんな奥地に集落があったなんて到底考えられん。時の流れは恐ろしい。航空写真を見れば確かに藤八の滝より少し北側に開墾地らしき跡がわかるが、国道より少し高台のようなところなので直接目視することはできない。
■前沢集落
旧南郷村・伊南村を通り過ぎてたどり着いた旧舘岩村地区には、曲家という茅葺屋根の家々が並んでいる前沢という地区がある。国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されていて、今も町民が居住中とのこと。
「そば処曲家」で昼食。ざるそば+かつ丼セット。まあ会津の蕎麦は期待にたがわずコシがあって美味い。出汁は少し甘めだった。休みの日はがっつり食べようという気持ちは以前より増している。
「曲家資料館」見学料として、この集落に入るのに300円かかる。観光バスが何台か立ち寄っていた。
曲家の内部はとても換気がよくひんやりしている印象を持った。ガイドのおじさんに展示品について種々の説明を受ける。ただ密閉された家ではないので、夏なんか虫がすごかったろうな…
ちなみにこの周辺は難読地名の宝庫。
「檜枝岐村」「伊南村」「熨斗戸」「耻風」「木賊温泉」…
檜枝岐村以外、読めなかった。漢検受験者としてあるまじきこと。
木賊(とくさ)温泉に行く予定が、時間が押しているということで湯ノ花温泉へ。湯ノ花温泉は檜枝岐村へ通じる県道の途中にある鄙びた温泉街。
4か所の共同浴場(うち2箇所は混浴)を200円の入湯券ですべて回れる。入湯券は浴場ではなく集落内の売店や宿で購入することになっている。浴場に行っても誰もいない。
4か所は少しずつ離れた距離にありすべて徒歩で回るのは少し厳しいが、金額からしてちょっと令和時代とは思えないシステム。
入湯券には湯ノ花温泉共同権利者と書かれている。そのうちの1箇所である石湯へ。野趣溢れる川べりの小屋の風呂。最初は熱すぎてなかなか入れなかったがのんびりと40分ほど過ごした。
■鬼怒川温泉17:38→18:11下今市18:26→19:48南栗橋19:51→20:51錦糸町21:19→21:52本千葉
あとはクルマで鬼怒川温泉駅へ移動し、帰路に着くが「ドリームカー」を味わいたいがためにSL大樹に乗る。
ドリームカーとは、かつて北海道の夜行急行で走っている急行列車に連結されていた、グリーン車級の座席を備えた客車のこと。
北海道の夜行が全廃になり、東武に譲渡されたのち再整備され、今春から走り始めたが客の比較的少ない時期のみ連結されるそうだ。そして6月は連結日が多いのだ。
私は7年前に急行「はまなす」でドリームカーに乗ったことがあり、まさかまた、しかも関東で再会するなんて当時の自身に話しても全く信じないだろう。一蹴されて終わりだ。
この上り最終のSL大樹6号は他便に比べて比較的空いているとされる。ドリームカーはまずまずの乗車率だったが、他の2両は言わずもがなな状態だった。
もう日暮れも近いのに結構沿線から手を振ってくれる人がいる。
1日に3往復もしてるせいでリピーターが多く乗っているが、乗る方だけじゃなく手を振る沿線側にも常連さんがいて、乗務員の皆様も把握してらっしゃる模様。
いすみ鉄道のムーミンを思い出すようなチェーンソーアートもあった。リクライニングを全開にして倒していたらあっという間に下今市に着いた。
適度に楽しむにはちょうどいい距離か。個人的には少し物足りないのでドリームカーを満喫するために南栗橋までDLで引っ張るような企画があったら面白いなと思った。
6050系の普通列車のボックスシートが並んでいる空間はまったりしていて好き。
南栗橋以北でこれが残っている限りは、まだまだ会津への足が遠のくことはない。