アルプススノー社編集部

移動旅行、ときどき海外

高雄LCC往復旅(2)【橋頭糖廠・普快車3672次】

2019年8月11日(日)

■橋頭糖廠(糖業博物館)

8時30分に捷運(地下鉄)に乗車し、橋頭へ。まず高雄から北に30分ぐらい行ったところにある橋頭区の糖業博物館に行く。

この製糖博物館は1999年まで操業していて、サトウキビから砂糖を作っていた。当時の製糖工場の建物群がそのまま残っているところである(というかそのまま残りすぎである)。
建物は最低限しか手を加えていないような感じだったが、展示内容や説明看板はしっかりしていた。

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かなり安全は担保されているが、場内はかなり広いのでとても30分では見きれなかった。炎天下のなか汗だくになってきて、きりのいいところで引き返した。これだけの広場に無料で入れるというのがすごい。この日はイベントをやっていて子供連れがいっぱいだった。
廃墟好きにはおすすめ。

m.xuite.net

 

博物館を見たあとに五分車に乗る。

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このトロッコに乗りたかったために日曜日に合わせて来た。
五分車とはかつて製糖工場のサトウキビの輸送等に使われたトロッコのことで、今はほとんどが観光用として台湾各地で運行されている。

この橋頭五分車は、外国人からすれば台湾島内で五分車に容易に乗ることができる場所の一つとして、前々から気になっていたところ。昨年の新營で烏樹林糖業鉄道のトロッコを泣く泣くカットしたので、今回の訪台では乗っておきたかった。
自分の関心の対象も年々移ろっているが、ここまで深い世界に入らないと満足できなくなっているのはもう病気ではないかという気すらしてくる。

ここを訪れる前提としておさえたいのは、糖業博物館と五分車(トロッコ)は別々の場所に位置し、五分車は独立した乗り物だということ

五分車のりばは橋頭糖廠駅の改札を出てまっすぐ歩いて出るとすぐ乗り場があるが、 糖業博物館は駅を出て左方向に10分ぐらい歩いたところ。
てっきり五分車は博物館の場内に走っているものだと思い込んでたが、全然違って最初迷った。(五分車の車両は博物館内にもあります)

 

往復100元。 片道15分ぐらい。高架上は捷運、横は台鉄の列車が次々と通過していく様が見える。
ロッコにもかかわらず平気で踏切を横断したりするスリルがたまらんのよ。馬術場の横を通り過ぎるとかなり臭かった。

終点の花卉中心駅は畑が広がっているだけでこれといって特別なものはない。10両トロッコを繋げていたが、橋頭10時30分発の一便目の往復は閑散としていた。すぐ復路に乗って11時15分に戻った。

※2019年8月現在は、土日のみ運行となっていた。

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■新左営12:26→15:08台東 自強311次

このあと普快車に乗るため台東に行くことにしていたが、短期滞在なので台東を観光することは計画になかった。唯一気になっていた三仙台に行こうかと考えていたが、あまりに遠すぎるのとバスの時刻との兼ね合いで気が進まず却下。三仙台は数年前なら行ったと思うけど、なりふり構わず走り回っていた学生のころに比べるとエネルギーなくなってきている。
以前乗った台東行き普快車(3671次)知名度が上昇し始めて結構混んでいるという噂なので、時計回りの普快車(復路)に今回は挑戦。

新興三越の春水堂は混んでいたため、昼食は駅弁。
台鉄排骨弁当(80元)を食べる。少し肉が小さくなったような気がする。

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すいすい平らげた。5年前、初めて台湾に来たとき、舌が受け付けなくてこれを食べられなかったのが今では嘘のよう。

 

疲れて途中の金崙までぐっすり寝た。

 

■台東16:10→18:22枋寮 普快車「3672次」

高雄に引き返す。3年ぶり2回目の普快車。
普快車とは、非冷房の客車をディーゼル機関車が引っ張る普通列車のことで、とっくに日本では絶滅し、台湾でもこの区間を走る1往復しか残っていない。3年前に台東行に乗ったのだがまた恋しくて来てしまった。
現在進行中の南廻線の電化が完了すると普快車は役目を終える見込みだが、保存に熱心な台湾のことなので観光用として残るかもしれない。なので、別に廃止になるから来たというわけでもない。完全に趣味としか説明できない。

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希少価値からか最近は知名度が上がり、かなり乗客は多かった。50人ぐらい乗っていた。台湾人が多い。日曜日というのもあるが、やっぱり有名になってるんだな。

それよりも停車している客車に乗り込むと暑い。暑すぎる。この気温で非冷房車なんて正気の沙汰でない。
走り始めたら風が入って多少和らいだ。

康楽ー知本間の畑がひたすら広がる景色、大麻里付近の太平洋を望む俯瞰、その畑の先に広がる海のセットは、日本では見られない車窓だ。

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途中駅の太麻里や金崙駅では電化に備えてホーム屋根のお色直しがされていてどの駅もピカピカになっていた。
どの駅にも、ホームには8両「電車」停車位置などという標柱が立っていた。電化の跫音がひたひたと近づいている…
絶景で有名な旧多良駅はあっという間に通り過ぎた。すぐ降りるだろうと思っていた体育着を着た小学生グループはなかなか降りなかった。結局終点まで乗っていた。どこに行くんだか。

セブンイレブンで買ったドリトスをばくばく食べながら大海原を眺めた。

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大武を出ると枋野信号場を通り枋山駅まで、40分近く停まらないまま走り続ける。ひたすらトンネルが続く。石北線上川ー白滝間のようだ。
2018年に廃止になった古荘駅は駅名標、駅舎何もかもそのまま残っていた。枋山ー内獅間も雲がかかっていたが絶景だった。

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内獅・加祿駅も改修が進んでいた。墾丁方面への新線も開通する予定らしいし、何十年後かに来たらまた違う南廻線が見られるのだろうか。

陽が落ちてきたが雲がいっぱいで夕陽はうっすらとしか見えず。3年ぶりに見た南の海は深い青色に染まっていた。

6分遅れで枋寮に到着。

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■枋寮18:28→19:03屏東19:12→19:39高雄 自強371次&区間快3408次

台鉄のダイヤ改正により快速列車の時刻が入れ替わっていた。自強号が無座のため屏東からは乗り換え座って高雄まで行く。4両編成。

腹が減りすぎて、食べないと気持ち悪くなって来た。

■港園牛肉麺自強店

高雄のグルメ情報を漁ると必ずと言っていいほど出てくる店「港園牛肉麺の支店。港園牛肉麺は鹽埕埔にある本店のほかに支店もあるのだ。
昨日、本店の横を通り過ぎたら超混んでいて俄然食べたくなった。もしここが閉店だったらどうしようと思うほど弱っていたが安心。やっと食にありつける…

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麺は標準より多め(250グラムぐらい)だがニンニクをたくさん入れたら二郎系のような味覚に。おいしい!醤油ベースで二郎のような油のギトギト感はない。文句なしにおすすめできる。高雄に来たら絶対お勧めしたい逸品。

 

■南豐魯肉飯・自強夜市

港園牛肉麺(支店)をそのまま10分ほど歩いて南下すると自強夜市に着く。六合夜市のように歩行者天国ではなく、普通の道路に屋台が並んでいる感じなので道をふらふらしていると容赦なくバイクが突っ込んでくる。
今食べたばかりなのに食欲が疼いて魯肉飯の店へ。

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漬物がご飯の上に乗っている。注文票に個数とテーブル番号を書いて屋台へ持っていく。最初テーブル番号をかけと言われたようで突っ返されたがなんと言われているのかさっぱりわからず混乱した。肉がとろとろしていて口の中でジワーっと来る。ご飯の量が結構多くてお腹いっぱい。

 

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三多商圏駅から電車で宿に戻った。22時。

 

(3につづく)