アルプススノー社編集部

移動旅行、ときどき海外

マレー半島鉄道縦断(4)ーシンガポール入国ー

7時半起床。上段のほうが直に感じる揺れは少ないので昨日よりは寝られた。グマス駅を発車するところで起きた。

食堂車でナシゴレン(作り置き)を注文して朝ごはんとする。これが噂のナシゴレンか。あざます! うまい。

朝食(10リンギット



私が食べに行った時タイミングよく食堂車の席が空いていたからよかったが、終始満席になりっぱなしだった。やっぱり繁忙期なのだろうか。

グマス駅から先は、線路こそ立派だが人家の少ない雨林際を走り続ける。
グマス~JBセントラル駅間は駅舎・線路はとても立派なのだが、いかんせん本数が少なすぎる(1日4往復)から利用されないようだ。規格からしてもったいない。

沿線風景

それよりも、この旅行初日から一度も電源にありつけていない。この段階でモバイルバッテリーの電源が底をつき、電源ピンチの上、シャワーも浴びられていないという不清浄人間になってしまった。
これはあらかた予想していたことだが、シンガポールまでもつだろうか。持たないような気がするが、しょうがない。
意外と列車は遅れず、それどころか終盤の停車駅からは早発する始末。(マレーシアの鉄道に乗る際はご注意ください。)
終点のJBセントラルまで乗る人は少なく、半分ぐらいの客がグマス以降の途中の駅で降りてしまった。

もしこれからこの寝台に乗る方がいらっしゃるのであれば、絶対に下段の方がおすすめです。
あと冷房対策をしっかりしてください。この列車は冷房がガンガン効きすぎ。
半袖しか持ってきていないと大変なことになると思います。

結局定刻よりも早くジョホールバルに着いた。

JB(ジョホール・バル)セントラル駅(右側)

マレーシアとシンガポールの鉄道移動情報をネットで確認すると日本人が書いているものでもほとんどが、「シンガポール→マレーシアに行ってみた」みたいなサイトばかりで、逆はほとんどない。
シンガポールからマレーシアに行くのは物価が安いなどの旨味があるが、逆はそういうわけではないということなんだろう。シンガポールは金持ちの行く国なのかなー。

JBセントラル15:15→(シャトル・テブラウ)→15:20ウッドランズ・チェックポイント

マレーシアから「シャトル・テブラウ」に乗車。

2011年にマレー鉄道のシンガポール国内区間が廃止された時に、暫定的にシンガポールとの連絡輸送を続けるためシンガポールに入る僅かな区間だけ線路を残し「ウッドランズ・チェックポイント駅」を新たにつくり出した。JBセントラル⇔ウッドランズ間だけを走る列車をシャトルテブラウと呼ぶ。

このような経緯なのでディーゼル機関車がプッシュプル牽引し8 ,9両はあるかという立派な編成にもかかわらず、乗車時間はわずか5分で終わる。運賃は日本円で150円程度。

車やバスでマレーシアーシンガポール国境を越えようとすると渋滞で時間がかかることが多いらしく、シャトルテブラウは案外人気。
私が予約しようとした1ヶ月前の時点でも、通勤時間帯の列車は満席状態だった。この列車もほぼ満席に近い。

発車の30分前から改札をパスポートを読み込んで通過できる。ホームの手前で出国審査を受けて列車に乗車する。

運転士さんお疲れ様です

座席は指定されているが乗車時間がわずかなため誰も守っていない。

 

国境にかける橋 2回目

ウッドランズ駅につきすぐ入国審査。
シンガポールに入国するには検疫番号の発行が必要だったのに完全に忘れていて、入管職員に指摘され発行した。
この旅行で面倒だったのは、何カ国も入出国を繰り返しているため外貨(小銭)の管理と入国ルールの捕捉が追いつかないことであった。

ただ列車の改札を受けながら入出国審査を受けて別の国に出るなどという体験はできる場所は世界でも少ないので、やってみると非常に新鮮。
興味がある方は是非行ってみてはいかがであろうか。

この国鉄ウッドランズ駅はシンガポール国内に入ったところに仮駅舎のようなものを造っただけの駅なので、特に別の交通機関などはなく駅前ロータリーも狭苦しい。
MRTの同名のウッドランズ駅とは2,3キロ離れており歩けない。

とりあえず駅を出ると狭いロータリーの右端の方にバス停があり何系統も乗り入れているので、それに乗る。
大抵のバスは至近のマルシリン駅やMRTウッドランズ駅を通るのでそこに抜けてMRTを利用するのがいい。

ウッドランズ・チェックポイント駅のバス乗り場

◎JBセントラル→ウッドランズだけ利用する方へのご注意ポイント!
・多少のシンガポールドルを用意しておかないと、ウッドランズ駅は何もないので動けなくなる
・(物価が安い)マレーシアで多少の食料品は買っといた方がいい

ウッドランズ・チェックポイント→MRTウッドランズ→アウトラム・パーク→チャイナタウン MRT

とりあえずMRTウッドランズ駅に出て、地下鉄でシンガポール中心部へ向かった。
チャイナタウン駅の近くにある飲食店「東方美食」で食事。
日本国内では流通していないハルビンビールをいただき満足。海鮮チャーハンと野菜炒めを食べて腹ごしらえをして夜の観光に備えた。

生き返る

宿チェックインして、ようやくスマホの電源を回復。
シンガポールを素通りはさすがに示しがつかないと感じていたので、メインだけ観光することにする。

◆ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ

まずガーデンズバイ・ザ・ベイの「OCBCスカイウェイ」。
ちょうど着いた時にショーが始まりものすごい人が地べたに座っていて、チケット売り場を完全に見失うという失態。
なんとか閉業間際にチケットを買って、スカイウォークを30分ほど堪能。
ここまで乗り物ばかりに現を抜かしていたせいで、この旅行後半にして初めての観光スポットで大興奮。

OCBCスカイウェイ
OCBCというのは中国系の銀行の名前。ネーミングライツの形をとっているようだ)

 

その後「スペクトラ」というショーを見るため、マリーナベイサンズのホテルの中を通ってベイフロントへ移動。
これまでの都市と格が違うかのような景色を見せつけられ、一気に外国へ来た気分に。

「スペクトラ」は音楽と噴水の奏でるショーという趣だった。
一度は見ておいたほうがいいという触れ込みだったが評判に違わず良かった。
ちょうど坂本龍一の曲が使われた演出があって親近感を持った。

「スペクトラ」ショー会場
ベイフロント駅→マリーナ・ベイ駅→ラッフルズ・プレイス駅
マーライオン公園

地下鉄を乗り継いで、マーライオン公園を締めとして散策。
もうね、あの有名なマーライオンですよ。これでシンガポールに行ったことがあると豪語できる。
意外と現物の像は大きい。もう22時を回ろうかというのに人でごった返していた。

マーライオン公園とマリーナ・ベイ・サンズ

コンビニで水を買おうと思って帰宅しようとするが、水が3ドル(約330円)と書かれている。おいおい、500mlだぞ。私は眠気が吹っ飛んだ。今まで行ったどの国よりも高い。

このマリーナベイサンズの周りにある建物やホテルは、どこも格式が高すぎる。
やっぱりシンガポールはこんな貧相なバックパッカーが来てはいけない国なのかもしれないと思った。

結局宿に戻ったのは23時10分頃であった。