アルプススノー社編集部

移動旅行、ときどき海外

三宅島・原付流浪の旅(3)

今日は原付も返してしまったし、呆れるほどやることが無い。
とりあえず今日の予定をなかなか決められなかったのは、出航する港が出発2時間半ぐらい前にならないと決まらないという三宅島特有のルールに振り回されているから。

阿古集落を拠点とした場合、船の出航が錆ヶ浜港(阿古)ではなく三池港伊ヶ谷港になると、路線バスで島を移動する必要が生じる。
また、下りの船(東京発三宅島経由八丈島行)が荒天で御蔵島八丈島に接岸できないとき、八丈に行かずに引き返すため帰りの出港時刻が大幅に早まることがあり、定刻13時半発なのに朝7時発になったりすることがある。台風接近の中、これらすべてのリスクを考慮すると予定を入れづらかった。

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3日目移動図(地理院地図に加筆)

とりあえずガイドブックの中では唯一行ってなかったメインの場所である富賀神社に行くことにした。
蛇足だが滞在中、何度も錆ヶ浜をさばがはまと誤読してしまい島外民バレバレであった。

 

富賀神社★★☆

さすが島有数の祭りが行われるだけのことはある大きな神社であった。立派な鳥居、本殿。

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富賀神社

それよりも昨日まで原付で走っていた道を歩くのがかなり堪えた。錆ヶ浜港から15分ぐらいだがずっと上り坂。
帰り路線バスに時間を合わせていたので神社の向こう側に行って、昨日宿泊者から聞いていた大量のフナムシがいる場所は見られなかった。
右の方に鎮座している軍人のような銅像があったが何の説明も無くわからなかった。おそらく乃木希典将軍らしい。結局富賀神社だけで今日の観光は終わり。

三宅島(伊ヶ谷港)13:35→20:45東京竹芝港 東海汽船2400便橘丸

錆ヶ浜港に戻ると、今日の接岸は伊ヶ谷港に決まったと書かれていた。私はこの日三池だと予想していたが・・・外した。
伊ヶ谷はこの3つの港の中では一番荒波に耐えうるらしく、錆ヶ浜・三池が難しい時に3番目のカードとして切られることが多いようだ。
ウィキペディアには伊ヶ谷を使うのは極稀と書かれているが、実際今年7月の実績を見ると3つの港にまんべんなく就航しているし、台風が断続的に接近していたのでこのあと何日も伊ヶ谷港を使う日が続いたようだ。

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伊ヶ谷港

三池はともかく伊ヶ谷になると出港の1時間半近く前には路線バス(1日5本)をがっちり掴んで港まで移動しなければならない。私のようなことにならないためにもちゃんと送迎付きの宿を選びましょう。
錆ヶ浜港はスーパーが近くにあるので食料調達が容易だが、伊ヶ谷港は乗船券売り場と自販機1台以外、なにもない。路線バスに乗る前に買い出しして正解だった。
まあ私は錆ヶ浜のスーパーにお世話になったが、橘丸船内の自販はそこそこ食べ物を含め充実しているので、飲料あれば十分かも。

条件付き運航のときに離島側にいると本当に心臓に悪い。しかも今日は連休の最終日というのもあるし。次回からの反省材料にする。

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三宅島を出港



さよなら三宅島。客船のお見送り風景はグッとくるものがある。
前に並んでいた人が毎月来ているリピーターらしくそこら中の島民と仲睦まじげにしていた。聞こえてくる会話の限り、1年に何回来ているのかというレベル。こんな性格はなかなか真似できないが、大自然に囲まれ非日常感はたっぷり味わった。
真冬の時期に来れば、今回植生に覆われて見えなかった数々の箇所もはっきりと確認できるのだろうか。
大島までは揺れがきつかったが、東京湾に入ってからは止まっているかのようだった。2時間半近く眠ってときどき甲板に出てふらふらしていた。
この帰路の船は電波から隔絶され、移ろう風景を眺めるだけという至福の時間であった。東京港には、定刻に到着した。