アルプススノー社編集部

中堅社会人が海外へ放浪するブログ

茨城ー清州線に乗りたいだけのソウル行(3)

明洞お手軽定食店「キンパイルボンガ」

8時半頃起きて、朝食を取ろうと明洞まで来た。
明洞に来るのは3回目。
今まで韓国に来るたびに必ず明洞に来ているが、行きたくて来ているというより、行く当てもなくて来ているというほうが正しい。
繁華街を行き交うのは、やはり日本人が目立つ。
「神仙ソルロンタン」という有名な店に行こうと思ったが日本人で長蛇の列だった。
明洞のお一人様向けの店はあからさまに観光地価格をふっかけてくるので、なんかいい店はないのかと調べていたら見出しの店にたどり着いた。

キンパイルボンガ

わずか8000ウォンで鉄板プルコギ丼が食べられる素晴らしい店。
味も遜色ない。
地元の客しかほぼいなかったが、他にも食欲をそそられるメニューが揃っており、今後ソウルにまた来ることがあれば間違いなくお世話になるだろう。

 

ソウル駅鉄道グッズ店

韓国の鉄道グッズ難問題に風穴を開ける、今年3月にソウル駅構内にできたポップアップショップとのこと。
韓国にあるいくつかの鉄道会社が共同でグッズを出している店だが、SRTの商品がやたら多いように感じた。

SRTはソウル駅への列車の運行はないはずだが、商品ラインナップはコレイルより幅を利かせている。
個人的にはあまりめぼしい商品はないように感じられた。釜山地下鉄のメジャーを一つ買った。

また、ソウル駅の1号線改札の近くにある荷物預かり所(T-Luggage)に行くと、ソウル交通公社のキャラクターのグッズが手に入る。

T-Luggage


荷物を預けるわけでもないのに店に押しかけ、記念にラゲージタグを買った。こちらのほうが個人的には気に入った。
その後、今までなかなか正面に行けていなかった旧駅舎を見に行った。

大韓民国博物館

買い物と食べてばかりでも仕方ないので一箇所ぐらい博物館へ行く。
ちょうど戦後80年だったので(韓国としては光復80年)、やたらと韓国国旗推しである。
この建物は5階がメインの展示施設となっており1894年から1987年までの韓国の歴史が 時系列で学べる。

博物館5階にあるテラスから景福宮を見る



韓国にとっては日帝強占期から苦難を乗り越えて今の太極旗があるというのは最高にイメージしやすい王道シナリオのようである。
個人的には朝鮮戦争以後の韓国の軍事政権の歴史を学習したことがなかったので、朴正煕という人物をはじめ勉強になった。
ハングル一本化されたのは1990年代と比較的最近というのも知らなかった。勉強になります。この建物の5階からは以前に行った景福宮がよく見えた。
特別展はともかく、常設展は比較的偏りのない展示内容であり行ってよかった。今日が月曜日であったため、本来行く予定だった戦争博物館やソウル歴史博物館が軒並み休館日ということで行ったが、なかなか見応えがあった。
入場料無料で、1階の係員に話をすると日本語用イヤホンまで無料で貸してくれるので、教育施設としては申し分ない。
よく考えると、東京にこういった公営の歴史施設がないのは妙な話である。

汝矣島公園

この公園は夜景が綺麗なソウルの観光スポットとして有名だが、私は個人的に「I SEOUL U」というモニュメントを見に来ただけ。
しかし着いてからよく調べてみたらこのモニュメントは2023年にソウル市内中からとっくに撤去されていたらしい。ChatGPTにまんまとだまされた。
ただセミの鳴き声が響く公園をひたすら散歩するだけになってしまった。

 

江南スタイル像

サムスンセンターの一角に、2015年頃に日本でも流行った「江南スタイル」(PSY)の曲を模したモニュメントがある。

カンナムスタイル


税金で建てられたとのことで韓国人にとっては不評らしいが、実際に行ってみたら記念撮影をする外国人の人だかりができていた。
カンナムスタイルの曲が流れるインフォメーションボードみたいなものが横にある。
しかしサムスンセンターにしても、ソウルは空間の使い方が贅沢というか…東京も本来人口規模からすればこれぐらいゆったりとした街が理想だろう。

 

東大門中央アジア人街

中央アジア人街」とは東大門公園駅の12番出口からすぐの裏路地にある、ロシア・ウズベキスタンの店がひしめいている知る人ぞ知るエリアのこと。

見るからに周りと雰囲気の異なるエリア

 

中央アジア街という通称だが、ほとんどウズベキスタンの店が占めている。月曜だからだと思うが、やってない店も多かった。

ウズベキスタン料理の耐性は蓄積されているので飛び込む。
「スターサマルカンド」という店へ。
外国に来てさらに外国の料理を食べるというのは今までもやったことがあるが、謎の背徳感がある。

スターサマルカンド

東京にもこういう店はある(この前友人と高田馬場に行ったばかり)が、お一人でのうのうとラグマンとサムサを食えるのはソウルならではであろう。
そんなに高くないしオススメスポットである。14000ウォン。

ラグマン

この近くにはザハ氏が建築した東大門デザインプラザがあり、夜景のプロジェクションマッピングが美しいとのこと。
しかし夏のソウルは日が長くて、ライトアップを待っていると深夜になってしまうので外観だけ見て移動。

花郎台鉄道公園

最後にダメ押しで鉄道ネタを拾うために花郎台鉄道公園へ行ってみる。
今日は日本は祝日だが韓国はただの平日なので、7号線新内行きの普通電車はラッシュで大混雑していた。
公園には、花郎台(ファランデ)駅から徒歩10分ぐらいで着く。
ここは2010年までKorailの駅として現役だった駅で、広島電鉄の車両がなぜか置かれている場所として夙に(?)有名。

広島・・・ではない

つい5月までムグンファ号車両が6両ほど保存されていたらしいが6両のうち3両は解体され、3両はイベントに使えるようにリニューアルされるらしい。

私は公園に到着した時間が19時と遅すぎて駅舎内のギャラリーなどは見ることができなかった。日中に来れば駅舎の中を見れる。

花郎台駅からこの公園までは廃線を活用した遊歩道としてよく整備されている。歩道の雰囲気がとてもよく印象に残った。

京春線跡地


しかし、19時半だというのにまだ日が落ちない。ソウルの日の長さに参ってしまう。

 

(翌日)

清涼里6:57→8:31堤川9:14→10:33清州空港 KTXマウム・ムグンファ1382

この日はなかなか寝られず、悪い目覚め。

宿最寄りの祭基洞と清涼里が近かったので、昨日から清州空港への色々な行き方を考えていた。
せっかく中央線のターミナル駅清涼里の近くにいるのだからこの駅を使って帰ろうという安直な理由で「KTX-マウム」に乗る。*1

KTX-マウム

そこそこの乗車率。このマウム号は釜田(釜山)行きだが堤川までの駅で降りる客はあまりいなかった。

京春線のシャトル列車が普段運行されてないはずの駅にも、不必要なほどホームドアが整備されている。
ムグンファ号は2時間に1本しか走っていないのに全線複線だし、これはKORAILが8000億の赤字になるよなと思わされる。

堤川駅で乗り換え

清州空港駅で列車から降りた客は5人ぐらいしかいなかった。
清州空港は基本的に列車発着時以外にホームにいることはできないため、列車が発車するとすぐ駅から追い出される。

清州空港駅に戻ってきた
清州空港14:00→16:05茨城空港 RF384

かなり余裕をもって空港に戻ってきたが、清州空港はかなり小規模な空港施設のため、全くやることがなくてベンチでネットサーフィンに明け暮れた。

空港のフードコートで昨日食べられなかったソルロンタンを食べた。
これで12,000ウォン(約1,300円)もするんだったら日本で美味しい定食を食べたほうが全然いいなぁ。本末転倒な感想。

ソルロンタン

清州空港は保安検査前エリアにはフードコートがあるが、制限エリアに入ると食事をとる場所は皆無なので入る前に食事はとること。
制限エリアのウォーターサーバーの水をがぶ飲みして搭乗まで過ごした。帰りのフライトはめちゃくちゃ揺れて酔いかけた。

結局、韓国に何しに来たの?と言われても仕方ないような内容でこの旅行は終わった。ムグンファ号に多く乗れたのは収穫だったが準備不足の否めない旅行だった。

韓国が日本より安いのは公共交通系ぐらいしかない。
私の海外旅行の指標として、「日本より物価が安いジャンルがあるか」というのを無意識に刷り込まれていることに改めて気づかされた旅行だった。(終)

春秋航空の上海線15周年展示(茨城空港
私も一度お世話になったことがある

*1:※一般的には五松(オソン)駅までKTXに乗ってバスで清州空港へ向かうか、高速ターミナル駅から直接バスで空港へ向かうというのが最も王道なアクセス方法なのでこの行き方はかなりの外道であります。鉄道好き以外にはあまりお勧めできない