アルプススノー社編集部

移動旅行、ときどき海外

福島相双株優消化旅行

この旅行はJR東日本株主優待券を知人から頂いたものの、全く使う機会をつくれず、8月になってしまいようやく消化しようとしたもの。

JR東日本株主優待券は6月末が前年度に発行されたものの期限となっているが、6月末までにえきねっとで申し込みをしさえすれば、最大で9月頃までは効力を延ばすことが仕様上できてしまう。

本当にそんなことができるのかと思ったが実際8月某日に6月末が期限だったはずの株優を使用して、福島方面に出かけたのであった。

上野7:56→9:22仙台9:34→10:45鹿島 東北新幹線常磐線

鹿島駅の駅舎は築126年と言われる。おそらく常磐線国鉄原型に近い駅舎が最後まで残っており、建て替える計画が動きつつあるとのことで一度来てみたかった。
駅舎の内部は100年以上とはいえども割と手入れはされていた。
常磐線浜通りはJR後も国鉄のままの駅舎が多く残っていた印象(竜田・富岡等)だが、鹿島駅はその最後の生き残りといってもいい。こんな国鉄様式美のある駅舎はなかなか全国にはない。

鹿島駅
鹿島11:04→11:10日立木11:45→11:56原ノ町11:59→12:18浪江 常磐線

浪江駅に降りて道の駅なみえを目指す。
駅からは少し距離があり、一応今日は実証運行バスの運行日ではあるものの時間が合わないため徒歩で道の駅に向かう。
浪江駅前を歩いていると空地の多さが目立つ。
震災から13年が経過しても人口は約2000人とのこと。明らかな空家や廃業した店舗、草ぼうぼうの公園などが目に飛び込んでくる。

浪江駅

 

街中は閑散としていたのに道の駅についてご飯を食べようとしたら大混雑。
ここでは「盛り放題しらす丼」をいただく。
しらすは美味であったが普段盛り放題なんてやったことがない食材なので、どこまで盛っていいものか…と感覚がつかみかねる。結果的にはちょうどよい塩梅となった。

しらす丼


土産に浪江焼きそばを購入して、 駅に戻る。

浪江14:27→14:31双葉14:40→14:46伝承館16:35→16:41双葉16:48→19:34水戸

最後に双葉町東日本大震災伝承館という施設を訪問することにした。

展示内容は言わずもがな震災から復興に至るまでの道筋が示されていてしっかりしている。
ただこの内容で600円に見合う料金なのかと思わなくもない。歴史がまだ風化していないからそう思うのだろうか。
2011年頃の写真を見ていると、今より社会がエネルギーに溢れているなと感じた。

 

双葉町に来て思うのは、とにかく人がいなさすぎる。
人口は台帳上は4桁だが、実際は100人弱しか定住していないらしい。駅は立派だがまるで町民の気配が感じられない。
伝承館の周りにいる芝刈りロボットが淡々と動いているのを伝承館の2階から眺めていると、空しくなる。この国にこんな地域を生み出してしまったことがつらいなぁ。

帰路乗った普通水戸行きは、列車としてはガラガラなのにボックス席だけが全く空かなくてほとほと困った。青春18きっぷシーズン、恐るべし。

 

私は浜通り区間を今まで通過するばかりだったので、かなり新鮮なだった。
浜通りは首都圏と同じ電車が走っているのに、上野駅からは250km以上離れている東北の地というのが心くすぐられるポイント。
まあ、これで株優を譲り受けた人からの仁義は果たしたであろう。