アルプススノー社編集部

移動旅行、ときどき海外

函館真冬の鉄道落穂拾い(1)

北海道新幹線未乗車区間乗りつぶしと、道内最高峰レベルの秘境駅である流山温泉駅を訪ねることを目的にした旅行。
奥尻島が当初のメインだったがシーズンオフであまりに営業している宿が少ないことと、現在土日は奥尻からの空路が丘珠(札幌)に飛んでおり、労力のわりに函館へ帰れなくなるリスクが大きすぎるため泣く泣くカット。

羽田空港7:45→9:10函館空港9:30→9:50函館10:55→11:46赤井川12:11→12:19大沼 日本航空函館帝産バス・函館線

函館駅に着き、早速やきとり弁当を求めて駅前のハセガワストアへ飛び込む。
季節限定メニューのやきとり弁当生姜ごはん(中・600円)をいただく。最高にあったまる。毎日昼にほしい。いやー初っ端だがもう一度食べたいな。

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やきとり弁当生姜焼きごはん



当初は2日目に流山温泉駅に行く予定だったが天候が思わしくなさそうなので、晴天の今日中に駅巡りをしておいたほうがいいと判断し、旅程を入れ替えた。
それでもまっすぐ鹿部へ向かうと大沼駅で時間を持て余してしまうため、最初の駅巡りとして赤井川駅に訪問。
駅ノートには駅巡りの人の雑記や、近くにあるケルムというレストランが旨いなどと書かれていた。

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赤井川駅



たまたま貨物列車や特急の遅れで次の函館行の番線が変わったので、しきりに大沼駅員が遠隔放送でアナウンスしていたが、赤井川駅には番線表記がないためホーム側か階段を渡った先なのかどちらを指すのか分からず混乱。しかしJR北海道の駅員は案内が実に丁寧だなといつも思う。

函館にこれで4回目の訪問となるのに未だに函館山五稜郭公園に行っていないという噴飯ものの人間だ。
今回一部は初訪問という意気込みでいたが、五稜郭タワーがコロナに怯んで休みだということを知り一気にモチベーションが下がった。函館山も一人では行く気にならないし。どうしようかな。

 

大沼12:32→13:03しかべ間歇泉公園14:38→15:08鹿部 函館バス

大沼駅は、「ここは大沼公園ではありません」という案内がそこら中に貼られている。気温は千葉よりも全然低いはずなのだが全然こちらの方が暖かく感じられる。
210系統鹿部出張所行きのバスは乗客が5人ぐらい乗っていたが、東大沼バス停までで全員降りてしまい私だけになってしまった。

鹿部駅の北の大地の入場券を販売している「道の駅しかべ間歇泉公園」は鹿部駅から5kmも離れており、およそ入場券売り場を名乗ってはいけないレベルの遠さ。鹿部駅自体があまりに町外れにあるので仕方ない面はある。
このような事情から、大沼駅から道の駅に直接バスで行っても大して変わらない距離なのである。
鹿部駅の列車本数がほとんどないうえ、駅からしかべ間歇泉公園に行くバスもかなり限られており鹿部駅から往復していると日が暮れてしまうので、今回大沼から乗車した。函館最強フリー切符である「はこだて旅するパスポート」を存分に活用させていただく。

しかべ間歇泉公園で半年ぶりに北の大地の入場券を収集し一歩前進。
昼だけやっている浜のかあさん食堂で「プレミアムたらこ丼」を食べた。
煮魚と合わせて舌がとろける。あまりこういう一塊になった大きなたらこを食べたことがなかった。土産コーナーにはたらこが所狭しと並んでおり購入に悩んだ。

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プレミアムたらこ丼(1,000円)


せっかくなので間欠泉を鑑賞しに行った。10分おきには吹き出してますからと言われる。間欠泉の前にある足湯が思いのほか気持ちよくてかなり長居をしてしまった。

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間欠泉とカール君

 

鹿部15:08→15:31銚子口…流山温泉16:57→17:42函館 函館線

鹿部駅行きのバス(しかバス)はほとんど私一人だったが思いのほか残雪の悪路を激しく走るのでかなり酔ってしまい体調を立て直すのに時間がかかった。私が結局移動を電車に寄せてしまっているのもバスが苦手だからというところがかなりある。

この砂原支線に乗るのはかなり久しぶり(16年ぶり2回目)。
今回函館エリアでは5つの駅(本石倉石谷・銚子口・流山温泉・池田園)が廃止となることが確定しており、そのうち3駅を巡ることにした。本石倉石谷にも行きたかったが銚子口駅から流山温泉駅を訪問することにして池田園駅は車窓からの鑑賞とする。色々考えたが5時起きで夜7時や8時まで活動するのはどだい無理な話なので…


赤井川駅の時もそうだったか鹿部・銚子口にしても駅舎の脇に到底令和の設備と思えない簡易な汲み取り式トイレ小屋が立っている。銚子口の内部は非常に虫の死骸が多くてさすが廃止指定駅だという気分になった。

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銚子口駅待合室

銚子口駅は行き違いができるので駅としての機能は廃止されるが、信号場として存続することが見込まれている。同業者がいきなり5人ぐらいホームに現れてすったまげた。

ここから流山温泉駅へと歩く。国道を20分ほど南へひたすら歩き、大沼高原牧場の入口に到着。

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この牧場の入口の先に駅があると、誰が予想しようか


牧場の敷地を突っ切ったどん詰まりのところに駅がある。こんな駅はおそらく日本全国どこにもない。
そもそも(冬だからというのはあるが)営業している駅に入るのに柵がかかっているなんておよそ令和の世には考えられない。
物好きとしては最高級にゾクゾクさせられる。乗降客数0のこの駅がなぜここまで残ってしまったのかと思わせる。

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大沼高原牧場

大沼高原牧場の入口をくぐり抜け、馬が遊牧されている牧場の中を10分ぐらい歩くと最奥にホームが鎮座している。馬って冬でも動けるんだな。

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流山温泉駅


駅の入口には200系新幹線の鼻と車輪だけが置かれている。開業から2017年ごろまで、駅前に200系新幹線が3両ほど展示されていたためだが、案内板一つなく、遺物の鼻を見ても初見ではなんだか全くわからないだろう。

流山温泉自体が2015年に廃業しているのだが、やはり引き継いだ大沼牧場への恩義からここまで残っていたのか。それぐらいしか考えられぬ。
この立地はまず日常利用すら考えられないようなところ。周りに広がるのは駒ヶ岳やスキー場の大パノラマばかり。

この駅は2002年に開業した割と新しい駅で当初はSL函館大沼号やバーベキュートレインが停車したり、結構盛り上がっていたらしいが、そこから温泉やJR本体の経営不振という時代の変化に翻弄されあまりにも短命に消えていくことになった。

寒さに耐えながらやっと来た函館行きには、誰も乗っていなかった。

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函館行5884D普通列車

 

銚子口駅流山温泉駅は2022年3月12日(土)で廃止されました。