アルプススノー社編集部

移動旅行、ときどき海外

四国満喫きっぷスペシャル(3)<マイントピア別子>

2020年7月25日(土)

■徳島8:23→9:50宇多津10:06→11:02新居浜 うずしお6号・しおかぜ5号

昨日のアクシデントを踏まえて旅程を再構築し、高知をばっさり切り捨てて愛媛新居浜別子銅山へ行くことにした。
一応繁忙時間帯の列車なので早めにホームに向かったが余裕で座席確保。

しかし4連休なのに、すれ違う特急や実際に乗る列車にしても、まったく自由席の座席を取るのに苦労しない。客としてはいいが経営的にはなかなか辛いものがありそう。ましてや四国は破格のフリー切符がどの旅客鉄道会社よりも多彩なのに…大丈夫か。

新居浜11:36→11:56マイントピア別子 せとうちバス

ぼろバス。乗客2名。また携帯の使いすぎでデータ通信の残量がわずかになってきてしまった。

新居浜から別子銅山への路線バスはせとうちバス新居浜市のバスがあるが、せとうちバスの時刻表がホームページでは非常に検索しづらい。最初新居浜市営バス(1〜2往復)しかないのかと思った。流行性感冒下では鉄道はまだ情報が取れるが、路線バスは臨時ダイヤが組まれていたり突然運休になったりするので、ますます柔軟性に難のある公共交通での旅はハードルが高くなっている。

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■マイントピア別子13:00→13:30東平 マイントピア別子観光コース

この別子の道の駅「マイントピア別子」は銅山観光の拠点になっている。

道の駅を含むエリアを端出場地区といい、採掘された鉱石の中継地点となっていた。末期は別子銅山の本部は端出場に移っていたとのこと。
しかし昭和初期ごろまでは山間部にある「東平」(とうなる)地区が採鉱の中枢であった。全盛期には小中学校や娯楽場があり一つの街を形成していたとのこと。
東平地区は山あいにあり、自力ではなかなか行くのは困難だが、今回は道の駅が催行している「観光コース」を申し込んで13時から2時間の行程で遺跡のある東平地区に行くことにした。
事前調べでも、東平地区のほうが見どころが豊富そうだったのも決め手。

レストランもりの風という飲食店が道の駅に入っていて、別子カレーを食べた。典型的なドライブインの飲食施設という感じでいまいち。

新居浜駅には全然人がいなかったのにどこから湧いたのかというくらい50人ぐらいの大所帯。バス3台体制で一路東平へ向かった。
途中ループ橋を過ぎて左に入ると、もうよくこのマイクロバスを平然と運転できるなと思ってしまうほどの狭隘な道路が続く。
別子のパンフレットでは再三注意喚起されているが、こんなところにペーパードライバーは絶対に来てはいけない。
そんな道を15分ほど走り続けた先に東平の遺産がある。

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現場の観光ガイドに駆け足でガイドしてもらった。概要としては、
・いくつも炭鉱町があり、他の炭鉱町に「かご電車」で移動できる路線が運行されていた
・元禄四年からの280年近い歴史がある
・「東洋のマチュピチュ」と呼ばれている(この表現は平成元年~平成2年頃に作家の荒俣宏氏か呼び始めて一気に有名になったとのことであった。知らなかったけど
・別子鉱山鉄道上部線は日本初の山岳鉱山鉄道であり、いまでも走っていたあとを山肌に確認できる

等々…

最後にインクライン跡の階段を下り、もっとも有名であろう貯蔵庫・索道基地跡を間近に見た。

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書店によく積まれている日本の絶景本を読んだら別子銅山も載っていたが、印象よりは小さかった。私はペルーのマチュピチュには行ったことがないが、やはり写真で見るのと現場で見るのは差が出る。しかしながら遺跡の趣はたっぷり。

しかしこの僻地にかつて小学校があったという事実は想像力をもってしても難しい。資料館の写真を見てもなにか別の場所で写されたものに思える。

■東平14:20→14:50マイントピア別子 マイントピア別子観光コース

帰ってきてから道の駅の横にある「はでば駅」から観光鉄道に乗り一般向け銅山観光に入ったが、これは栃木の足尾に似ている。
観光電車に乗って、見学施設を一周して帰るというルート。歓喜坑の展示、どのように採掘を進めていたのかの解説。あと子供向けの体験コーナー。

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スケールとしては、やはり東平ゾーンに行かないと別子銅山を観光したということにはならないと思う。

別子銅山は住友の色がかなり強いと赤平のガイド氏が言っていたのがふと浮かんだ。
まあ「緑に戻すプロジェクト」とかやっているしこの観光鉄道も近年住友関連企業の協賛でリニューアルしたということだし、まだまだ結びつきは強いということだろう。

日本三大銅山のひとつ、という触れ込みで別子銅山は知られているが、じゃああとの2つは?と調べてもいまいちはっきりした答えが出てこない。日本三大銅山は時代によって指す鉱山が違うようだ。一説には尾去沢鉱山・吉岡鉱山・阿仁鉱山・別子銅山足尾銅山が「日本三大銅山の一つだった」場所。うーん、いまいち腑に落ちないが、確かに去年阿仁合に行ったときに別子の地名を資料館で見たなぁ。

クルマで訪問するなら別子銅山記念館もぜひ訪れてみたいところ。

■マイントピア別子16:05→16:25新居浜せとうちバス

今日はたまたま土曜日なのでこの日曜・祝日運休の16時台のバスが運行している。大変助かった。未だ旧式の「運賃は○○まで」としか出ない、次がどこなのか聞き逃すとわからなくなる運賃表示器だった。

 

新居浜16:35→17:25多度津18:15→18:20丸亀 しおかぜ24号

うたた寝して多度津着。

夕食は多度津駅の横にある構内食堂。JRの社員食堂みたいなところ。ここもきょうがたまたま土曜日なので営業している。メニューは1つしかないらしく、この日はうどん定食。味はいたって普通だが500円でこのボリューム。満足。客は誰もいなかった。

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疲れたのできょうはこれで終わり。かなりバテていた。
昨日朝までの高知に行く予定であれば、宿毛から23時台に丸亀に帰ってくることになっていたが、カラダが持たなかっただろう。計画段階で暴走するのが悪い癖。
コロナ社会では睡眠はきちんと取ろうと反省。万が一のことが起きたときに、社会的に抹殺されてしまう。