アルプススノー社編集部

移動旅行、ときどき海外

ホーチミン・シティ一人旅(2)【クチトンネルツアー】

2019年7月13日(土)

■クチトンネルツアー

今日は朝から現地旅行会社のトンネルツアーに参加。7時20分集合だが日本と2時間の時差があるので5時半に目が醒めてしまった。

7時半にオフィスを出発し、クチには9時20分頃着。まず日本人向けの観光ビデオを小屋の中で鑑賞した。
ビデオごとに小屋が一軒一軒建てられていて観光向けの施設っぷりを感じる。

ここではベトナム人から見たベトナム戦争が語られるので、米軍はかなり悪く言われていた。
ベトナム人が撮影した映像なので白黒だがアメリカが撮った映像はカラーだということだった。第二次世界対戦も、確か米軍が撮った映像はカラーで視聴に耐えないものがあったのでその構図だったように思う。

次にクチトンネルの構造を説明される。戦時中、空気穴をところどころに作って全長約60kmにもわたるトンネルを作って生活していたらしい。当時の人々のゲリラ抗戦に対する執着心はすごいものだと感じた。

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次に当時動いていたという戦車の横を通り過ぎ、クチの人々が作ったという数多くのトラップ(罠)の説明をされた。

 

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また当時のクチの人々が不発弾を分解して武器を作る様子がマネキン人形で再現されていた。ガイドさんがボタンを押すと、動き出して不気味。


どんどん歩いていき、見学コースの最奥にある射撃場に着いた。一発6万ドン(300円)で実弾が撃てるというので、せっかくなので撃つことにした。

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最初にビデオを見ている時から遠い所でものすごい音が何度も鳴っていたのでやはり凄い音なんだろうなとは思っていたが、近くで聞く銃声は鼓膜が破れそうだった。耳当てしないとその場にいられない。なかなか銃をコントロールできなかったのが悔やまれた。

ガイドさんによれば、特にロシア人はトンネルというよりこの射撃場のためにツアーを組んで来るとのこと。 一度に200発とか500発も撃つ欧米人がいるらしい。
自分は10発でも精一杯だったのに隣でものすごい連射している人がいたのはそういうことだったのか…

次に実際に使用していたという、トンネルを散策。
狭すぎる…こんなところに毎日いたらおかしくなりそう。

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最後にお茶と芋を食べてクチを引き上げ、ツアー終了となった。
ガイド氏から、戦争証跡博物館の前にいるタクシーには絶対に乗らないこと、スリ・ひったくりに気をつけること、及び靴磨きはぼったくりの一味だからしつこかったら蹴飛ばすようにと念を押され解散となった。(全部この後に遭遇する)

usagiyah.com

 

クチトンネルに個人で来ている人はほとんどいなかったので是非ツアーで行った方が良いと思います。
ガイドさんの味のある小話もたくさん聞けたのでとても満足しました。

 

戦争証跡博物館

13時過ぎ、帰路にクチトンネルのツアーバスから降ろしてもらう。 ここからまた個人旅行に戻る。

戦争証跡博物館は 入場料4万ドン。なかなか日本の倫理観では表に出ないような凄惨な写真が展示されているという情報があり、身構えて入場。
最初一階だけ見学して、そこまで刺激的な内容はなかったので杞憂かと思ったが、二階に上がったらその気分は吹き飛ばされた。

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私は他人に比べて鈍感であるとは思うが、人の死体、枯葉剤の影響で産まれた双生児の子供や、悶えている人間の写真をいくつも見るのはさすがにしんどい。
壁に展示されている半分ぐらいの写真は、スマホで撮る気にもならない。

3階に日本人のカメラマンが撮った撮影した写真コーナーがあるので、それまで英語ばかりだった説明文を読むのが少し楽になり、 久しぶりに見た流暢な日本語に少し気持ちが和らいだ。全体として英語の説明文は難しい単語ばかり使われていて、かなり読むのが大変だった。

見ごたえはある。とにかく写真で戦争を伝えようとする博物館なので、入って損はしない。
あとベトナム反戦運動のことも勉強になった。日本を含めて中国やソ連、中米で行われていることは知らなかった。ベトナム戦争は中学の歴史の授業で端折られた覚えがあるので、初めて見るものも多かった。
べ平連の殉死者や当時の運動ポスターなどが大々的に展示されてるのを見ると、これが日本国の総意と取られるのは本意ではないのでは…と思ってしまった。でも日本共産党提供らしいからそういう内容になるのはやむを得ないか。

まあ、数多くの写真が世界に伝わってベトナム反戦運動に繋がっているのだろうと思うと、カラー写真の意義が存分に発揮されているともいえる。

 

■フォーホアパスター

海外に行くといつものことだが、また朝からおにぎり一つだけで午後3時になってしまったのでとりあえずフォーを食べることにした。
戦争証跡博物館から15分ほど炎天下の中を歩き到着。今度はフォー・ガー(鶏肉)。昨日食べたのはフォー・ボー。

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107,000ドン。最初の店では出なかったもやしがある。 もやしを副菜として入れるのはベトナム南部だけだと地球の歩き方に書いてあった。


当たり前と言ってはなんだがもやしのクセは全くないので、ラーメン二郎でもやしを食べるのとなんら変わらない。テーブルには油滌のような揚げパンが置いてあったがセルフサービスらしい。
ただタイでもこうやって野菜を食べた時は何でもなかったのに数日後に自分の体を蝕まれたので、海外で食べる生野菜はなかなか箸が進まない。結局もやしは半分ぐらい食べてしまったけど。香草はスルー。フォーは少し食べたらなかったので、ビッグサイズでも良かった。私は鶏肉の方が好み。

siusam.net

 

■中央郵便局・サイゴン大聖堂

中央郵便局は左右にある土産屋がなかなか良いというネット情報を聞いていたので30分近く物色してしまったが、いまいち何を買えばいいのか分からず終了。

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クチツアーのガイドさんは「ベトナム人は男は怠け者ばかり、女性ばかり働いている」みたいなことを言っていたが、実際まちなかを歩いているとその言葉がなかなか的を射ているように感じてしまう。路駐したバイクにふんぞり返って寝ていたり、道端でだべっている男のなんと多いことか。


ヤンゴンミャンマー)のボージョーアウサンマーケットもろくな客引きがいなかったし、今回ホーチミンベンタイン市場もどうせぼったくりだろうと思っていたので(案の定、ガイドさんも同じことを言っていた)、今日と明日でドンコイ通り周辺を回っていいお土産を探してみたいと思う。

サイゴン大教会は工事中で中には入れず。

 

だいぶ歩いたのでベトナム珈琲の現地チェーン店であるハイランズコーヒーに行ってみる。コンデンスミルク入り39,000ドンを頼んだら甘すぎた。苦味を消しているらしいが、これがベトナムコーヒーというものらしい。

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しかし、今回の旅はフライトとエアポートバスだけにしか乗り物に乗っていない。
いつも公共交通機関ばかり使った旅が中心なので今回は自由すぎてぼーっとしてしまう。
ホーチミン市内の観光地が予想以上にコンパクトにまとまっていて、ほとんど歩いて行けてしまうので嬉しい誤算なのだが、全く時間に縛られないのもなんかダラダラしちゃうなぁ…

まあ平日が縛られすぎなんだけど。贅沢な悩みだなぁ。

 

ホーチミン人民委員会庁舎

今日の夕飯はバインミー・フーホア(42,000ドン)という店でパンの食事。テイクアウトのみ。たまたま宿の近くにあったこの店が人気店らしく常に行列ができていた。

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これを食べながらドンコイ通りまで歩いていたら中に入っていたカラシがきつくて悶絶し、涙を流しながらセブンイレブンで7upを買って中和した。美味しいが香辛料に注意。
それにしても東南アジアで飲む炭酸飲料は日本で飲むよりおいしく感じるのはなぜだ?

サイゴンキッチュ」という土産屋で土産を物色していたら外がスコールになり、土砂降り。
しょうがないので30分ほど滞在したあと、人民委員会の建物を見に行った。

人民委員会庁舎のライトアップはかなり綺麗で、いやーこれはベトナムでのかなりの思い出になるなと悦に入っていた。

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すでに午後8時50分。 

この時、トートバッグのファスナーを開けっぱなしにして人民委員会庁舎の撮影に夢中になっていたら、ガサガサッ!という音。
後ろにいたバイクの男にバックの中を弄られたっぽい。
一瞬かなり嫌な予感がして、その場を立ち去って中身を確認したが幸いにも取られたものはなく、財布は何とか無事だった。

 

危なかった。 スられそうになったのは初めての経験だった。ホントにいるんだ…しかし財布盗まれてたらこの旅行自体詰みだったな…と思うとぞっとするばかりで、これ以上観光する気にならなくて宿に帰った。

【3へつづく】