2019年2月17日(日)
かつて京成線の日暮里〜京成上野間には、2つの駅が存在した。
寛永寺坂駅は戦後すぐに休止。跡地の建物はしばらく残っていたらしいが、今はセブンイレブンになっている。
博物館動物園駅は1997年3月31日まで営業していたが、その後休止を経て廃止。
私もかつて降りたことがあるらしいが記憶に全くない。
ただし、駅舎は今なお健在だ。
その博物館動物園駅が21年ぶりに一般公開されていると聞き、朝から整理券を求めて、寒風吹きすさぶ上野公園に並んだ。
駅の中に入るといきなり東京藝大生の作品であるアナウサギが姿を表す。芸術的センスがない人間でもびっくりする。
階段を数段降りると藝大生の作品が飾られている。ホームには降りられない。
展示内容としてはざっと見れば5分で終わる。
踊場までしか今回の見学では降りることができなかった。
芸術作品もよいが、目を引くのは1997年の休止直前に壁に書かれたらしき落書きの類。
「桜咲く夜、この駅が休業か…さみしいけどいつか絶対再開してください!」
「永遠にゾウやペンギンたちを見守ってあげて!」
「いつか、絶対に駅を再び開けてください。愛する博物館動物園駅を…」
「えきいんさん けさないでね~」
「平成5年5月21日 はじめてのはくぶつかん動物園駅 またこようと心にちかう二人。」
などなど。
この空間は本当に時が止まっていたのだなと思うと、なかなかグッとくるものがあった。
ちなみにゾウとペンギンとは、ホームの壁に描かれている絵(描いた人は不明)のことを指している。
今回の公開では当然ながら確認できず。
次回の公開ではホームに入れてほしいものだ。