2018/6/4
1年半ぶり2回目の友ヶ島リベンジ。今回は友ヶ島を端から端まで歩きつくすことが目的である。
前回は大荷物を抱えたまま散策に入ってしまい、行けなかった場所もいくつかあったので、すべて取り返したい。
■山陽姫路→阪神尼崎→難波→和歌山市→加太…友ヶ島(沖ノ島)
めでたい電車に新色が加わっていた。加太駅はロッカーは相変わらずなかったが、トイレが改装されるなど多少きれいにはなっていた。
友ヶ島への旅は前回が3連休のど真ん中だった(下記)ので、前よりは少しでも空いている日が良いと思いあえて平日にしてみたが、船の混雑としては以前乗ったときとあまり変わらなかった。
相変わらず人気だなー。旅行できるぐらい余裕のある人が少しずつ増えている証左か。
加太港から20分で野奈浦桟橋(沖ノ島)に降り立ちいざスタート。早速毛虫が上から落ちてきてビクビクしながら進む。
まず東端の虎島へ行く。
30分ほど歩くと、深蛇池への分岐が現れる。せっかくなので行ってみるが、岨道すぎる。たどり着いても一面草だらけで湖面が全然見えなかった。
本道に戻り、ただひたすら落ち葉を踏みしめながら東へと進んでいくのみ。 変わり映えのしない景色が続くが、虎島に近づくと突然視界が開けた。
友ヶ島のパンフには虎島直前の「閼伽井の碑(あかいのひ)」まで「自然散策コース」として点線が引いてある。でも他の岩と同化していてこの碑はなかなか見つけられなかった。
それにしても沖ノ島側から虎島側を眺めた時に感じる、島が迫ってくるような感覚はすごい。これは上の写真ではなかなか伝わらない。
今回島は干潮の時にしか渡ることができないという情報を予め得ていてわざわざ時間帯をあわせて来たから良かったものの、ネットを見ているとこの手前で断念した人も少なくないようだ。
虎島にも「虎島堡塁」という戦時中に建造された砲台の跡があるので行ってみる。まさに友ヶ島の桟橋から最も遠い最奥の地になる。
とりあえず「観念窟」と看板のある方向に進んでみる。虎島側に渡り、さらに獣道のような草ぼうぼうの細道を15分ほど登ったところに堡塁が忽然と現れた。
西側の一番有名な第三砲台跡は内部も一応隅々まで散策することができるが、ここはあまりに人の手が入らなすぎていて、雑草や枝木が辺りにうじゃうじゃだし、泥濘に足を取られそう。
加えてハエや蚊が多すぎて、さすがの無鉄砲な私でも、階段を降りて探検する気にならなかった。動物の糞の匂いが充満していてあまり長居できる場所ではなかった。でもやっぱりこのワクワク感が旅の醍醐味か。 私が最近忘れかけていたものかもしれない。
観念窟はその先にあるのかと思い少し進んでいったが、断崖絶壁のところで道は終わっていた。
よくよく調べてみると、観念窟はこの絶壁の上に置いてあるロープを使って、ロッククライミングのように下へ下へ降りて行ったところにあるらしい。友ヶ島の5つの行場を刻んだ石がある場所(友嶋五所額)もこの下にあるという。なんだそりゃ??スーパーマリオ64を思い出すが、とてもそんな藝当はできないので断念。
同じく見どころの一つである序品窟(じょほんくつ)も、虎島側に渡ってすぐに海沿いの石を渡り歩いて行ったところにあるらしいが、これもおよそ道とは言えないもので、あまりに険しいのでパス。
結局、虎島にはここまで紹介した4つの奇勝があるが、一般人が近寄れるのは(事実上)堡塁跡だけということになる。まあ観光地じゃないからなぁ。
総じて言えることは、虎島はよほどの秘境好きが行くべき場所だということ。単に砲台や弾薬庫跡が見たいのであれば、定番とも言える島の西側に行けばいい。別に虎島の砲台が規模が大きいわけでもない。
一通り虎島を見たので満足して桟橋方面に戻る。
途中で蛇1匹、リス4匹を目撃。桟橋から「閼伽井の碑」までの道はトレッキングコースに入っているのに、行きも帰りも最初から最後まで、誰一人すれ違わなかった。
あとは定番の場所をいくつか見て帰る。
友ヶ島キャンプ場でコンビニ弁当を食し、20分程歩いて弾薬庫と第三砲台跡へ。友ヶ島が紹介されるときは、決まってここの写真だ。ここで島に渡ってから2時間近く歩き続けており、だいぶへばってきた。
前回同様に砲台跡の内部を散策した。当然真っ暗なので散策のためのライトは必要だけど、むやみに振り回さないほうがいいです。物凄い数の見えなくていいものが見えます。私はひいひい言いながら逃げ出しました。
後から入った女性グループもすごい声を上げていた。耐性のないものは苦手。前回はこの蠢きを見た覚えがない。真夏だったからいなかったのか?気づかなかっただけなのか?
友ヶ島に渡る人の9割以上は第三砲台とその周辺が目的であり、2年前は私もそうだった。修験でもないのに虎島まで行くのは釣り人か奇人しかいないと思う。
服装を見る限り、軽い散策気分で友ヶ島に渡っている人の多いこと。平坦な島ではないので、そんなまちなかを歩く服装で来る島じゃないと思うのだが、私が気にし過ぎなのか。ラピュタの島という触れ込みだが、台湾の九份同様、誰が言い出したのか。
最後に第五砲台。
ここは恒常的にハチの住処になっているようで、前回はハチが屯していて近づく事すらできなかった。改めて見たが遺跡としては見ごたえがある。
今回も散策している最中にハチが数匹うろうろしていた。
くまなく散策するなら、繰り返しになるが、ハチがいない季節に来たほうがいいと思う(洞内のカマドウマは冬でもいるかもしれないが)。
ここで体力の限界を悟り、灯台方面は全部パスして15時30分の便で加太に帰った。
今回で一つのけじめとするぐらい、島の大半を回れたので大満足。
こんな軍事要塞と自然が一体化したミステリアスな島は、全国探しても友ヶ島がナンバーワンだと勝手に思っている。これからも和歌山に来る機会があれば足を伸ばしたい場所である。
一つ残念だったのは、以前より荒廃が進み、2年前は入れたはずの第四砲台跡や第五砲台横の弾薬庫跡は柵がされて入れなくなっていたこと。特に第四砲台跡は前回行かなかったので未踏の地となってしまった。
友ヶ島も2010年頃までは船の乗客が1ケタというのもザラだったらしいし、ホント今のガジェット時代は恐ろしいブームを巻き起こすものだなと思う。
■加太→和歌山市→泉佐野→関西空港20:40→22:00成田空港
予定より少し早めに空港に行ってゆったりする。
私が国内で一番空港の施設に入り浸ってるのは関西空港かもしれない。
前回行きそこねたカードラウンジ(比叡)にもしっかり滞在。羽田に比べるとオーセンティックな感じがした。 (おわり)