▼道後温泉7:43→8:07松山8:26→10:31伊予大洲 予讃線「伊予灘ものがたり」ｸﾞﾘｰﾝ車指定席
この旅行のメイン、伊予灘ものがたりに乗る。ちなみに「バースデーきっぷ」で、この列車の指定を取れる。
松山駅１番線に入線してきたとき、ホームにジャズ風のBGMが流れ始めた。もうこの時点で、ただならぬ列車の予感がした。
「大洲編」は2500円の食事付き。これがまた、特に朝採り野菜がたまらない味だった。日ごろひもじいものばかり食べていると高級品の味がわからなくなるとよく言うが、私も少しだけ大人に近づいたのかな。
アテンダントさん達は、お一人様の客にも気軽に声をかけてくれた。バースデーきっぷで旅行していることにとても反応してくれた。そんなに、いないのだろうか？
時刻表上では、下灘にしか停車しないが、「愛ある伊予灘線」の区間（伊予市～伊予長浜～伊予大洲）は、ほとんど徐行運転したり一旦停車したりしていた。唯一停まる下灘では、まるで写真撮影会。五郎駅ではたぬき駅長が手を振っていた。
川の対岸から中学生が手を振っている姿に、心を揺さぶられた。
もうすぐ伊予大洲、というところで車内の音楽が「伊予灘ものがたりの歌」になり、フィナーレ感が出てきた。
さあ降りようかというとき、アテンダントの人たちが自分に声をかけてきて「お誕生日おめでとうございます！」とバースデーカードをくれた。乗ったときに何気なく誕生日を聞かれて答えただけだったので、驚きのあまり言葉に詰まってしまった。
この列車は、とにかく車内の演出や、アテンダントさん達のおもてなしが行き届いている。降りるときに、ありがとうございました、という言葉が自然に出た。
▼伊予大洲10:36→11:18松山11:23→12:25伊予西条 予讃線 特急「宇和海８号」「しおかぜ16号」ｸﾞﾘｰﾝ車
伊予灘ものがたりの車内で、大洲市からのプレゼントや、クーポン券等いろいろもらったのに、伊予大洲に5分しかいないのは軽い罪悪感にとらわれた。
土産の選択間違えたかなぁ、など淀んだ感情を全て吹き飛ばす勢いで、特急宇和海は内子線を爆走した。向井原～伊予市間の海側の車窓は、かなりダイナミックな風景だ。
伊予西条は東海道新幹線の生みの親、十河信二国鉄総裁ゆかりの地である。ここで最近、リニューアルしたという「四国鉄道文化館」に寄った。2008年に引退したキハ65の車内を見られたのが良かった。フリーゲージトレイン一次車も展示されていた。
それにしても、あと5年早く生まれていれば、もっとたくさんの列車に触れ合えたのでは…と思うことが、多すぎる。幼少期に羨望の眼差しを向けていた列車が、ここ10年で急激に淘汰されてしまった。時代の要請といえば確かにそうなのかもしれないが、冬の臨時列車を見ていても小粒なものばかりで、鉄道もいよいよ斜陽な感じが拭えない。平成初期生まれにはそう思っている人が少なからずいるはず。
▼伊予西条13:25→14:22多度津14:59→15:02金蔵寺 予讃線「しおかぜ18号」ｸﾞﾘｰﾝ車・土讃線普通
「しおかぜ」のグリーン車は、悪い席ではないが、座席が硬いし、コンセントはない。「アンパンマン列車」のそれと比べれば貧相な座席であった。正規の料金を払って乗ったら物足りないだろうなと思った。
日曜なので、地味に有名な多度津の構内食堂は残念ながら休業であった。
最後もやはり讃岐うどんでシメる。これまで2度行こうとして候補から漏れていた「長田in香の香」という有名店に寄った。金蔵寺駅から徒歩8分ぐらい。
案の定、お昼どきをとうに過ぎているもかかわらず、かなりの客数だった。出汁がたまらない味だった。
▼金蔵寺16:04→16:13琴平16:43→17:04綾川→17:12挿頭丘17:16→17:25綾川 土讃線・高松琴平電鉄線
琴電琴平駅の前に不法投棄の一時保管場所があり、旅行ムードを壊された。それにしても、ここに置くか、という感じ。
最後の最後で3駅寝過ごしてしまった。危うく東京に帰れなくなるところだった。脇が甘い。
▼綾川17:33→17:58高松空港19:00→20:20成田空港 JJP416
綾川からバスに乗ったのは自分1人だけ。
降りるときに1万円札しか持っていないという爺さんの両替をした。
何の気なしにジェットスターの航空券を買ってしまったが、今年から7kg制限になったらしく手荷物料金を2600円も徴収された（7kgはジェットスターのみの模様）。結果的に総計が普通に飛行機に乗るのと大して変わらないし、何かと気を遣うことが多いので、LCCにこだわる必要があるのかと思ってしまった。
[おわり]
