◆茅沼944→1205網走 釧網線 「快速しれとこ」
昨日ああいう道中になってしまったので、当初からの目的である「北海道普通列車による全線完乗」は持越しとなってしまった。
今日はただ移動するだけ。
旭川で泊まる宿をまだ取っていないと言ったら、宿主にとても心配された。
「快速しれとこ」はとても混んでいて座るのがやっとだった。
磯分内から川湯温泉や、札弦から知床斜里まで乗るおじいちゃんやおばあちゃんがいて、上手い使い方をするものだと思った。客層はこのような人たちを除けば、ほぼ全員が旅行客だった。
網走からは2両編成なので席取りに神経を尖がらせなくて済む。
快速しれとこから乗り継いだ人は予想以上に少なかった。まあせっかくここまではるばる来て、観光しない我々のほうが外れているのだけど・・・
この辺の路線に乗ることは何年も机上で空想していて、ようやく夢叶った形である。・・・が、余りにシミュレーションしすぎて、いま実際に乗ってるんだぞという実感がなかなか沸かなかった。時刻表の読みすぎである。
来春廃止予定の金華では停車時間が10分ほどあって多少散策できた。時刻表上では始発・終着が割とある駅だけに、金華の廃止報道は意外だった。駅舎にはすごい量のてんとう虫や蛾がうごめいていた。
金華駅を出て常紋峠を越える際、キハ40のエンジンがかなり唸っていた。トンネルに入る直前、汽笛一声。ここで何人もの人が惨憺たる思いをしたのか。
列車番号こそ変わるものの、さっきの2両編成にまた乗るだけ。
遠軽を発車したキハは閑散としていて、終点までこんな感じかなと思っていた。
ところが白滝界隈で十数人乗ってきた。白滝3駅(下白滝・旧白滝・上白滝)廃止の報を受けて駅めぐりをしているようだ。その影響で、上白滝を出た時点で、1両目に乗っているのはほぼ全員"白滝ファミリー”の客になった。ちょっとこれは予想外の事態。
網走までの道中で気が狂れた鉄道ファンに何人か出くわしたが、ここで乗ってきた十数人は車内マナーがしっかりしていて騒ぎ立てるような人はいなかった。そもそも1日1~3本しか停まらないこの秘境駅群に対して、列車を使って駅めぐりをしているのは賞賛に値する。
上白滝から上川はよほど余裕があるダイヤのようで、奥白滝信号場までは20km/h程度でノロノロ走っていた。西日本のローカル線を思い起こさせる。
上白滝~上川までの1時間8分(1駅では日本最長)は気が遠くなるような長さだった。冬場は日没が早いため、もっと退屈なのではないか。
しかもこの列車は、やっとの思いで到着した上川でも、37分も停まる。駅前のセイコーマートで飲食物を調達して、旭川までに備えた。
伊香牛で4本目の下り特急「オホーツク」と行き違う。それにしても、網走からこの駅まで「オホーツク」計4本とすれ違ったが、全て空席が多かった。大型連休だというのに、もはや高速バスと勝負になってないのかもしれない。
網走から旭川までまったく同じ車両で乗りとおしたので、キハ40に、えもいわれぬ親近感が沸いた。
旭川駅はイオンモールができて、改札を出た時の印象が様変わりしていた。
滞在が短いこともあり、宿に余り大金を叩きたくないので、ネットカフェが空いていることを信じて、夜の旭川市街へ。
何とか最後のフラット席一枠を確保できた。後ろからお客さんがぞろぞろ来ていたので間一髪だったといえる。
後々の日程を考えると、ここで横になれるのとなれないのでは雲泥の差。
やっぱり、ツイてないとき(=昨日)の運ってちゃんと巡ってくるんだなぁ~。しみじみと感慨にふけった。